第九話 春の鍋その十一
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「何かマントも欲しくなるわね」
「けれどイギリスじゃいるのよ」
「実際になの」
「イギリスがシルクハット発祥の国だから」
「フランスじゃなかったの」
「そう、イギリスなの」
この国からはじまったのである。
「紳士が着けるものだったの」
「成程ね」
「それでロッカーの人は」
「ジーンズに皮ジャンとか?」
「そう、大体そうした格好で」
この格好もまた実際にロンドンであるというのだ。
「あともっと最新の格好とか」
「色々なのね」
「最近日本も変わらないけれど」
ロックの格好は日本もトップモードになってきたのだ。もうロックはイギリスだけのものではなくなっているのだ。
「あっ、ビートルズはいなかったわ」
「何時頃の?」
「初期の」
ビートルズの髪型や衣装は時代によって違う。初期はマッシュルームだが後期には所謂ヒッピーのものになるのだ。
「勿論後期もね」
「ないのね」
「そういう人はいなかったわ」
「ビートルズって古いからね」102
もうそうなっている。だがその歌は今も健在だ。
「もうね。ただね」
「ただって?」
「やっぱりCDショップにはまだあるわよね」
「英語だからよくわからなかったけれど」
言うまでもなく英語の国だ。そこにある言葉が英語であることも当然だがそれでだというのだ。
「あったわ」
「そうなの」
「コーナーまであって」
「まだあるのね」
「それで売られてるのよ」
「何かそれって凄いわね」
「解散からかなり経ってるし」
最後の曲を発表して解散した。尚それまでメンバー同士の確執が噂され世界規模での注目の的となっていた。
「それでもだからね」
「そうよめ。メンバーももうね」
「二人しかいないし」
ジョン=レノンもジョージ=ハリスンも死んだ。リンゴ=スターとポール=マッカートニーは健在である。もう二人しかいないのだ。
「寂しいわよね」
「ええ、本当にね」
「それでもまだロンドンじゃコーナーがあるから」
「まだまだ人気なのね」
「だって一つの町を元気にしたのよ」
リバプールだ。ビートルズ生誕の地として今も有名d。
「それって凄いじゃない」
「政治とかじゃなくて歌で」
「そう。歌でリバプールを元気にしたから」
だからこそだというのだ。
「凄いでしょ」
「確かに。普通はできないわよね」
「音楽で町を栄えさせた人はね」
里香は彩夏にさらに話す。
「まずはモーツァルト」
「ザルツブルグ?」
「そう。今もあの町じゃ音楽祭が開かれるのよ」
それもモーツァルトがもたらしたものだ。彼が生まれたこの町はまさに彼の存在で音楽祭が開かれる様になったのだ。
「そうなったのよ」
「モーツァルトって凄いのね」
「天才だと思うわ」
里香は
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ