番外編 へぅ〜君主と黄巾の乱
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詠ちゃんは顎に指を当て、難しい表情になりました。
「詠ちゃん、冀州の民が安心して生活できるなら、そんなことどうでもいいよ」
私は胸に手を当て、神様に感謝しました。
「月、わかったわよ! でも、これで冀州の民が救われたとは言えないわよ。別に冀州に限ったことじゃないけど」
詠ちゃん、私を真剣な表情で見つめた。
「分かってる・・・・・・。黄巾賊を討伐しても、悪徳官吏が蔓延る限り、民は苦しい生活を送るしかない。でも、私に出来ることは限られている。私は私に出来ることを精一杯やるだけ」
私は沈痛な面持ちで詠ちゃんに言いました。
「月、あなたなら、きっと大陸中の民を救うことが出来るわ。だからこそ、出世しないといけないの。力が無ければ、正しいこともできないのよ。月は平気なの。今も何処かで、悪徳官吏に苦しめられている人々が各地にいるのよ」
詠ちゃんは厳しい表情で私に言いました。
「詠ちゃん・・・・・・、詠ちゃんの言いたいことは痛い程分かる。でも、大き過ぎる力は身を滅ぼすわ。自分の分を弁えて行動するべきだと思う」
私は詠ちゃんに毅然と言いました。
「月は欲が無さ過ぎ・・・・・・。天下を獲れる器を持っているのに、何でそんなことを言うのよ」
詠ちゃんは凄く悔しい顔をしていました。
私は詠ちゃんに近づき、彼女の手を握りました。
「私は詠ちゃん、霞さん、華雄さん、恋ちゃんと一緒に楽しく暮らしたいだけだよ。それ以外は何もいらない」
「月・・・・・・。月の気持ちは十分に分かってる。でも、私は諦めないから」
詠ちゃんは私を真剣な表情で見て言いました。
「へぅ〜、詠ちゃんも強情だね。そうだ!今日は良い天気だし、みんなでお茶会を開こうよ。私が腕によりをかけてお菓子をつくるから」
私は気分転換にみんなでお茶会を開くことにしました。
「そうね・・・・・・。私がみんなを呼んでくるわ。月のお菓子楽しみにしているね」
詠ちゃんは笑顔で私に応えると、部屋を出て行きました。
みんなの為に美味しいお菓子を作らなくちゃね!
私は腕まくりをして、厨房に向かいました。
厨房に向かう道すがら、私は劉左将軍に会う機会があったら、今回のお礼をちゃんと言いたいと思いました。
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