暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
番外編 へぅ〜君主と黄巾の乱
[1/2]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
私は東中郎将の職を解任され、故郷である涼州隴西郡に戻ってきました。

冀州に跋扈する黄巾賊の討伐に失敗したのは私の所為です。

詠ちゃんは黄巾賊を倒したところで、世の乱れは収まらないと言って、兵士達を損耗させつつ積極的に討伐しようとしませんでした。

私が詠ちゃんにそのことを止めて欲しいと言っても、「月の為にやってるの!」と、言って取り合ってくれませんでした。

私はそんなこと願っていないのに・・・・・・。

後任の方が来てくれて、内心ホッとしました。

詠ちゃんは腹立たしそうだったけど、私が責任者であるより、よっほど良いと思います。

後任の方は劉左将軍です。

劉左将軍は黄巾賊を討伐してくれたのでしょうか。

詠ちゃんはあまい人物と言っていたけど、恋ちゃんは強いと言っていたから、きっと冀州の民を救ってくれていると思います。

私の気がかりはそれだけです。

私は冀州の方角を見て、冀州の民が劉左将軍に救われるようにお祈りをしました。





「ああ、もうっ! あの男には騙されたわ!」

私がお祈りをしていると、詠ちゃんがイライラしながら私の部屋に入ってきました。

「詠ちゃん、どうしたの。そんなに怒って」

「どうもこうもないわ! あの劉正礼が私達が冀州を去って、1週間もしないうちに黄巾賊を討伐したのよ。あの男、善人ぶっていたけど、かなりの切れ者だわ。私がわざわざ兵士達を損耗させたというのに」

私は劉左将軍が黄巾賊を無事討伐してくれたことに感謝しました。

これで冀州の民も救われます。

「詠ちゃん、劉左将軍のことを呼び捨てなんて失礼だよ!」

私は詠ちゃんの態度が許せなくて、怒りました。

「別にいいじゃない。本人の前じゃないんだから」

詠ちゃんは不貞くれされたように言いました。

「へぅ〜、詠ちゃん・・・・・・」

「月、そんな目で見ないでよ・・・・・・。分かったわよ。劉左将軍と言えば良いんでしょ」

詠ちゃんは項垂れながら言いました。

「それで劉左将軍は黄巾賊を討伐してから、どうしているの?」

私は本来自分のやるべきことを代わりに実現してくれた、劉左将軍のことが気になりました。

「劉左将軍は黄巾賊を討伐した後、黄巾賊に降伏を促しているわ。死罪を免ずる代わりに、10年の賦役を課すらしいんだけど、意外にも黄巾賊は素直に降伏しているらしいわ」

詠ちゃんは納得いかない様子でした。

「10年の賦役は大変かもしれないけど、死罪よりましだと思ったんじゃないのかな」

「月は甘いわね。黄巾賊は賊なのよ。そんな素直に労役に従事するわけないじゃない。確かに、死罪よりはましだろうけど・・・・・・。なんか、納得いかないのよ」


[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ