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万華鏡
第八話 それぞれの家でその十一
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「お醤油好きなの?」
「そうなの。あとおソースもね」
 そちらもだというのだ。
「おソースにマヨネーズっていう組み合わせも」
「そのお好み焼きね」
「だからたこ焼きも焼きそばも好きなのよ」
 まさに関西の味だ。関西の料理は味が濃いことで知られている。
「あのこてこての感じが」
「それでもよね」
「そう。今回は挑戦するから」
 目指すもの、それを見ての言葉だった。
「期待していてね」
「期待に応えてくれるわね」
「目指すわ」
 彩夏の方でもそうすると晴れ渡った笑みで言葉を出した。
「そうするわ」
「じゃあそれまではね」
「待たせてもらうわね」
「もう仕込みは済んでるから」
 それは既にだというのだ。
「後は焼いたりするだけだから」
「すぐになのね」
「できるから」
「そう、ちょっとだけ待ってね」
 こう話してだった。そうしてだった。
 四人は一旦彩夏の部屋に入ってそれからあるものを出した。それはというと。
 人生ゲームだった。それを四人でしながら彩夏が呼ぶのを待っている、琴乃がルーレットを回しながら三人に言った。
「このゲームってあれよね」
「そうよね。人生ゲームってね」
「昔からあるわよね」
 里香と景子は琴乃が回すルーレットを見ながら応えた。
「私達が生まれる前からあるらしいけれど」
「ボードとかのデザインは変わってもね」
「基本は変わってないみたいね」
「双六タイプなのは」
「このルーレットも昔から同じだよな」
 美優もそのルーレットを見て言う。
「あたし幼稚園の頃からな」
「同じルーレットだったのね」
「代わりにさいころ使う場合もあったけれどな」
 それでも遊べることは遊べる。
「基本ルーレットだよな」
「そうよね」
「で、お金とかのシステムがあってさ」
「色々な職業選べてね」
「あたしこれまで色々な職業選んでやってきたけれどさ」
 それでどうかというのだ。
「どの仕事でも成功したり失敗したりだからな」
「ルーレット次第でね」
「運はか?人生って」
 美優はルーレットを人生と捉えて言った。
「メルトダウンが急に起こったりしてな」
「失業とか離婚とかね」
「汚職がばれたりな」
 とにかくアクシデントは常に起こるゲームだ。若しかするとそれは実際の人生よりも多い割合なのかも知れない。
「色々あるよな」
「運が悪いとね」
「お金ばかり出ていったりしてな」
「そうそう」
 琴乃はルーレットを回し終えて自分の駒を動かす。止まった先には何もなかった。
「できれば人生ってね」
「人生は?」
「平穏無事でいいと思うけれど」
 これが琴乃の考えだった。
「普通に結婚して家庭持ってって」
「おいおい、その家族がだよ」
 美優は琴乃のその言葉
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