第七話 お泊り会その十二
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「いつも凄いわよね」
「お金ばかり使って選手を育てない」
巨人の独特のチーム方針である。
「他の球団から強奪してきた選手でばかり試合する球団に負けたらね」
「誰だって怒るわよね」
彩夏も同意だった。他の三人も二人の話に食べて飲みながらその通りだと納得する顔で頷いている。まさに関西人だ。
「それはね」
「阪神からは選手獲らないけれどね」
「獲ったら絶対に許さないから」
巨人の選手強奪にも一応ルールがあるらしい。阪神からは選手を強奪しないのだ。長い間の宿敵相手には。
「もうそれこそその時は」
「テロが起こるわよね」
里香は今度はエクレアを食べながら言う。
「間違いなく」
「そうなってもおかしくないわよね」
「だからしないと思うわ」
過去にも今にも例は無い。流石にこれだけは。
「何か王さん最初は阪神が獲りそうだったらしいけれど」
「えっ、そうだったの」
「そんなお話聞いたことあるの」
里香が詳しいのは学校の勉強のことだけではなかった。こうした野球のこともかなり詳しいのだ。
「それでだけれど」
「ううん、それでなの」
「そう。それを巨人が横取りしたって噂があるの」
「いつもみたいにしたのね」
「そう、いつもみたいね」
これで話が進むのが巨人の『社会的信頼』である。
「そうしたらしいのよ」
「その頃から巨人は巨人だったのね」
「その前から。長嶋茂雄は南海から横取りしたし」
それで当時の南海ホークスの監督鶴岡一人が激怒しもう一人の立教大学のスター杉浦忠に南海に入るのかどうか詰め寄ったという話もある。
「その前の別所哲也もね」
「本当に昔から巨人は巨人なのね」
「そう。拉致していたの」
今度はこう言う里香だった。
「北朝鮮みたいにね」
「じゃあ読売民主主義人民共和国ね」
彩夏はあえてもじった。巨人の親会社と北朝鮮を。
「巨人って軍国主義の独裁国家なのね」
「だって。会長があれだし」
言わずもがなの人物だ。日本で最も憎まれ忌み嫌われている人物の一人であると言われている。
「それに巨人『軍』じゃない」
「ああ、巨人軍ね」
「巨人は北朝鮮よ」
里香は確信と共に言う。
「あのユニフォームは軍服なのよ」
「北朝鮮の軍服なのね」
「あの格好の悪いね」
「確かに酷いデザインよね」
「巨人はそうなのよ」
まさに軍国主義勢力だというのだ。巨人こそは。
「自衛隊は好きだけれど巨人軍は嫌いなの」
「そういうことね」
「そうなの」
こうした話をしながら五人でティーセットと紅茶、何よりもワインを楽しんだ。そしてお菓子やワインがあらかたなくなってからだ。
琴乃は気持ちよくぐでんぐでんという感じの他の四人にこう声をかけた。
「ねえ、今からね」
「今から
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