第十二話
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命、財産を連盟政府が保証するという意味であり、連盟市民へは、いかなる連盟所属の国家も干渉する事は禁じられる。例外はその連盟市民の母国ににおいて定められている法律にのみ縛られる。
今回の軍大学への入学は、エルシャンの立場を強化して前線国家の干渉を撥ね退けるための方策でもあった。
「大丈夫ですよ。あの2人なら何の心配もいりません」
そう言って笑うと、置いていかれてグズるムアリの背中をあやしながら家の中に入っていく。
「父さん。軍大学って何? 兄ちゃんは家を出て行くの?」
ウークも既に12歳になっており、彼も既に年少パイロットの資格を所有し、また将来結婚の約束をした女性も居る。
彼ははっきり言ってもてた。エルシャンみたいに一本釣りの大釣果ではなく、母性本能をくすぐるらしく自分から何もしなくても沢山の女の子からアプローチを受けるもってっぷりだった。
息子達には完全に追い抜かれてしまったなと思いながら、息子の頭の上に手をのせて「そうだな、だけどたった半年だ、お前が寂しがる間もないくらいあっという間だよ」と言って自分にそっくりな色合いの赤毛をゆっくりと指で梳った。
「別に寂しくなんて無いよ。もう子供じゃないんだから」
怒りながら抗議する息子の姿に、直にウークも結婚してやがては家を出ると思うと「父さんは少し寂しいな」と笑いながら答えた。
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