第十二話
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「新婚初日のこんな深夜に、何の嫌がらせだ?」と野次が飛ぶと、馬鹿だの常識が無いだの謝ってすむ問題かなどと怒号が飛び、会見場は完全な処刑場と化していた。
「そういえば……あのドラマなんかもここのだったんだよな」
歴史のある一つのテレビ局が破滅へと進んでいく様子に、昔好きだった懐かしいドラマを感慨深げに思い出すポアーチ。単なる現実逃避だった。
「兄ちゃん。姉ちゃん行ってらっしゃい!」
「良いな。私も行きたいな」
「ムーを置いていかないでぇ〜」
「お土産は初孫が良いわね」
「あの……ユーシンさん。と、ともかく楽しんで良い思い出を作ってきてくれ」
家族に見送られて新婚夫婦は車に乗り込むとハネムーンへと出発する。
2人を乗せた車を見ながらポアーチは隣の妻に話しかける。
「エルシャンは帰って来たら軍大学で半年の研修か、新婚早々離れ離れで大変だな」
元年少パイロット達は、正規パイロット任官時に仮に与えられていた階級である准尉から自動的に少尉に昇進。そして年少パイロット時の功績を判断して中尉、大尉へと昇進する場合がある。
しかしエルシャンは准尉のまま昇進を保留され、そのまま軍大学校で6ヶ月間の佐官教育課程に放り込まれた後に少佐に昇進する事が決まっている。
ほとんどの場合、年少パイロットの期間が2年以内であり、その半数ほどが中尉昇進に足りないと判断されて少尉から軍人人生を始める。勿論中尉への昇進時には年少パイロット時の勲功が加味されて早い段階で昇進する。残りの半分は中尉となる。
特に優秀で年少パイロットの期間が4年を超えるような者達──優秀であるほど早期に年少パイロット資格が与えられる──には、ほとんどが大尉の階級が与えられる。
ちなみにこれらの昇進ペースは、通常のパイロットに比べると大きく抑えられたものとなっているが、元年少パイロットであった事はエリートの証であり、その後の軍人人生において様々な面で優遇されることとなる。
そして年少パイロット期間が8年になるエルシャンには少佐の階級が与えられた。
通常パイロットの階級は佐官になると、給与面などの待遇などは全て通常の階級と等しく扱われるが指揮権の与えられないパイロット専用階級が与えられる。
フルント人の中でも優秀なパイロットは大佐までは昇進するが、それ以上に昇進する事は無い。ただし給与面では将官クラスの額を受け取る者もいる。
エルシャンも普通の家に生まれていたなら同様の階級を与えられるはずであったが、彼はトリマ本家の嫡子として後に艦隊司令官になるため指揮官教育を受ける必要があると判断された。
正式に少佐となるとエルシャンは所属が艦隊司令部から連盟軍本部に移り、同時に連盟市民の立場が与えられる。
連盟市民とは連盟機関に所属する人員の身分、生
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