第175話
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ルの返信も放ったらかしだし、あれどうなってんのよちょっとケータイ見せてみなさいよ!」
「メール?
そんなのあったのか?」
「あったわよ!」
麻生はちょっと考え、自分の携帯電話を取り出し、美琴に見せるようにメールボックスを開けて、それから小首を傾げると、
「あったか?」
「あったっつってんでしょ!!
ぎえ、受信ボックスに何もない!?
もしかして私のアドレスをスパム扱いしてんじゃないでしょうね!!」
メールの件で愕然とする美琴だったが、そこで彼女はさらなる真相に辿り着く。
ボタンを操る麻生の手をガシッと掴んで差し止め、受信メールフォルダにある名前を凝視する。
「アンタ、何でウチの母のアドレスが登録されている訳?」
「は?」
言われてみれば、確かにこの前酔っ払いの御坂美鈴と学園都市で遭遇したが・・・と麻生は思っていると、美琴は眉間に皴を寄せたまま親指で麻生の携帯電話を操作し、件の美鈴へ通話してしまう。
「おい、勝手に電話するな。
あいつの性格上、面倒な事しか言わないぞ。」
麻生の言葉に耳を傾けていない。
スピーカーフォンのモードにはしていないが、元々の音量が大きかった事と美琴までの距離が近かった事もあって、麻生の耳までコール音が聞こえてくる。
「ちょっと母。
聞きたい事があるんだけど。」
「あれー?
表示ミスってるのかな。
ディスプレイに美琴ちゃんの番号が出てこないんだけど。」
キョトンとしている美鈴の声。
美琴と美鈴の会話に耳を向けている限り、何で麻生の電話に美鈴の番号があるのか、その経緯を尋ねているようだが、
『うーん。』
間延びした声と共に出た結論は、
『あの少年と夜の学園都市で会ったとは思うんだけど・・・ママ酔っ払っている時は記憶無くしちゃうからなぁ。
一体いつの間にこんな事になってかはママにも分かんないよ、はっはっは。』
うん、うん、と美琴は小さく頷いて、通話を切った。
彼女はにっこりと微笑み、携帯電話を両手で包んでお上品に麻生へ返しながら、
「ア・ン・タ・は、人ン家の母を酔わせて何をするつもりだったァああああ!?」
「おい待て。
お前の母親は間違いなく確信犯だ。
最後の笑いとか狙ってやっている以外になにがある?」
ちょっと考えれば簡単に分かるはずの事なのだが、プチ家庭崩壊の危機に見舞われていると思い込んでいるせいか、何やら美琴は顔を真っ赤にして冷静さに欠けている。
「日も落ちて来たし、俺は行くぞ。
晩御飯の準備をしないといけないんだ。
常盤台の寮の門限はもうすぐだろ?」
麻生も一時編入していたので、常盤台の門限を破ればどんな罰則が来るか分かる。
それを上手く使
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