第175話
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ゃないの?」
「時間を考えるに、俺達に帰れって言おうとしたんじゃないのか?」
「てことはなに。
上条のせいであたし達はまだ雑草抜きをしないといけなくなる可能性があるの?」
「下手すれば、もっと面倒な事を言われるかもな。」
二人の話を聞いている内に上条の背中に嫌な汗が流れる。
原因はどうあれ、上条のせいで素甘が怒っている事は間違いない。
これ以上時間を取られるわけにはいかず、上条は謝るついでに帰っていいかを聞きに校舎に入って行く。
「んじゃあ、帰るか。」
「えっ?」
上条が見えなくなってから麻生は言った。
「このまま面倒事に巻き込まれたら嫌だし、何より今日の夕飯の材料がきれていてな。
罰則を受けて買いに行く時間が無くなるのはまずい。
勝負も、もういいだろ。
残るって言うのなら止めないけど。」
そう言って、麻生は校舎に向かって歩き出す。
教室に置いてある鞄を持って帰るつもりなのだろう。
このまま逃げるように帰るのは気が引ける制理だが、罰則を受けたいとも思わない。
土御門や青髪ピアスが雲隠れている以上、自分達は最低限の事はしたと割り切り麻生の後について行く。
二人は学校を出て、暗くなってきた帰り道を歩く。
一〇月に入ってくると、この時間帯は少しずつ肌寒くなってくる。
気温の変化に応じているのか、夏場に比べると若干人の数が減っているようにも感じられた。
薄暗い空に浮かぶ飛行船の大画面からは『空気が乾燥しているので火の元に注意してください』というアナウンサーの声が飛んできている。
今日の晩御飯のメニューは考えてあるので、近くのデパートに向かう。
「制理はついて来るのか?」
「いいわ。
あの馬鹿との野球で疲れたし、先に戻るわね。」
制理もあの生活には慣れてきたらしく、最近ではよく健康番組を見ている。
色んな物を買おうとするが、桔梗や愛穂がこの健康器具は詐欺レベルで効果が薄い、と言われ良いストッパーになっていた。
駅前の辺りに行ってみると、常盤台中学の制服を着た茶色い髪の少女、御坂美琴の背中を発見してしまった。
しかもジュースの自販機にハイキックをぶち当てては、『ここの自販機は駄目なのか。あれ・・・?』と首を傾げている。
このまま進めば美琴に見つかるのは間違いない。
道を変えようと一八〇度方向転換して、移動しようとしたが。
「こんな所で会うなんて奇遇ね。」
と、後ろから聞きたくない声が聞こえた。
振り向くとやっぱり御坂美琴が立っていた。
「よう、美琴。
それじゃあ。」
制理の手を掴んで、その場を立ち去ろうとするが首根っこを掴まれてしまう。
「そうそう、ちょうどいいから言わせてもらうけど。
アンタ、この前送ったメー
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