第4章 聖痕
第30話 アルビオン編の後日談
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与えられ、敵に対しては罰が与えられる類の物の方が多いのも事実です。故に、公明正大な論功と言うのも、歴史的にはそう無かったとは思いますが。
そして、そうやって国家とは徐々に内側から腐って行き、何れ滅ぶ事に成るのですから。
王が王たる徳を失えば、天帝は別の徳を持つ者を王として認め、命を革める。つまり、革命が起きると言う事ですから。
「まぁ、と言う訳やから、その辺りの事を宜しく頼むな、ルイズ」
☆★☆★☆
それで、結局、朝日が昇る頃にラ・ロシェールに到着。
これは、ワイバーンを飛ばしていた距離よりも、転移魔法で往復した距離の方が圧倒的に長かったから、こう言う結果と成った訳なのでしょう。
そこから、ルイズ達は馬を調達して、何処かに向かう為の準備を行い、俺とタバサはキュルケとジョルジュに合流。
尚、キュルケにしても、ジョルジュにしても、ルイズが帯びていた密命とやらには一切触れる事は無く、俺達が無事にルイズ達を連れて戻って来た事のみを喜んでくれました。
向こう岸で何が有ったかを聞く事も無く。
気楽なように見えて、結構、シンドイ事も有ると言う事ですか。留学生と言うヤツも。
そして……。
もう一人、俺とタバサの帰還を待っていた漢が、このラ・ロシェールの港に残っていました。
「よう、坊主ども」
遠近感を無視した暑苦しい傭兵のラウルが近寄って来て、片手を上げながら、そう俺とタバサに挨拶を行った。
もっとも、約束の報酬に関しては昨日の内に支払って居ますので、もう用はないはずなのですが。
「一応、ここを離れる前に挨拶だけはして置こうと思ってな。オマエさん方の帰りを待っていたんだよ」
そう言いながら、ニッと嗤う口元から、不自然なまでに白い歯が零れる。
尚、同時に体感気温が三度ほど上がったような気がするのですが……。これは、おそらく俺の勘違い、気のせいなのでしょう。
「彼女達があの危険な中で無事に船に乗り込む事が出来たのは貴方達の御蔭です。改めて御礼を言って置きます。ありがとう御座いました」
そう言ってから、少し頭を下げて見せる俺。一応、彼は自らの仕事を熟しただけですが、こう言う台詞も必要な時も有ると思います。
まして、ルイズ達だけでは流石に港に無事に到着する事は難しかった可能性も有ります。
それに、時間を掛け過ぎて居たら、俺達のように港で足止めを食らっていた可能性も高かったと思いますから。
そして、一番大きな理由は、俺が頭を下げて感謝の言葉を告げるだけなら、元手は必要有りませんから。
少しの余韻を残すように巨漢の傭兵を見つめる俺。そうして、更に続けて、
「また、何か仕事が有ったら、依頼させて貰
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