第4章 聖痕
第30話 アルビオン編の後日談
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事ぐらいルイズだって判っていると思いますよ。
ただ、才人。オマエさんの御主人様の表情を見てから、その台詞は言うべきではないでしょうか。
彼女自身が完全に納得した上で、俺の言葉を肯定したかどうかを、自らの目で見てから判断した方が。
「才人。そうして、キュルケやジョルジュを連れて、このアルビオン行きを命じた人間の元に行って、恩賞でも貰えと言うのか。
ゲルマニア貴族のキュルケと、ガリア貴族のジョルジュに」
それだけで終われば良いのですが……。
才人達の任務の内容を知った可能性の有る異国人を、果たしてトリステイン王家がどう扱うか考えてみると、どうもそんな甘い見通しは建てられないと思いますよ。
何故ならば、たかがラブレターの存在すら危険視して回収を命じる王家が、そのラブレターの存在を知り、剰え、魔法衛士隊のグリフォン隊々長の謀反と言う事実を知っている外国からの留学生をどのように扱うかを考えたら、俺達の事は自らの内に仕舞って置いてくれた方が百万倍マシだと思いますね、俺は。
この世界には外交官の身分を護る法律はないと思います。まして、タバサ達は単なる学生。更に、タバサに到っては、貴族の家と言うバックはない。
この状態で、トリステインの国家機密を握るのは危険過ぎるでしょうが。
それでなくても、タバサの立場は本国ガリアの方でも微妙なのですから。
「このアルビオン行きに、留学生の三人とその使い魔は一切関わらなかった。その方が良い」
未だ完全に納得した雰囲気ではない才人と、その才人を少し悲しそうな瞳で見つめるルイズ。
確かに、正論を言っている才人の方としたら、これは仕方がない事ですし、普通の日本の高校生なら国境線の事など考えていないのは当然です。
但し、その気性では貴族社会の中で生きて行くのは難しいとは思いますが。
「まぁ、これは時間が解決してくれる問題やから、そう、硬く考える必要はないで、才人。
アメリカでは、情報公開制度により機密文書でも何時か公開される。それぐらい先には、今回のアルビオン行きの正当な論功が行われる事になるやろうから」
少しぐらいのフォローは必要でしょうか。そう思い、この台詞を口にしたのですが……。
もっとも、日本の三十年未来を行くと言われているアメリカの制度でも、関係者が生存中の公開は難しかったと記憶していますけどね。まして、中世のトリステインでは、情報や知識を独占する事が権力の象徴となるのではないかとも思いますし。
国民は無知で有るべきですから。その方が、為政者は統治し易いのでね。
但し、信賞必罰と言う言葉を知っているのなら、それが正しく為されない国家に明るい未来など訪れないのですが。
ただ、信賞必罰とは、味方に対しては賞が
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