第4章 聖痕
第30話 アルビオン編の後日談
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もっとも、簡単に話してくれるかどうかについては、微妙だとは思うのですが。
その理由は、今回の才人達の任務は、表向きはどうあれ、裏は国家間の紛争に発展しかねない内容だからです。その任務の詳細に関わる可能性の有る内容を、いくら命の恩人で有る俺に聞かれたトコロで簡単に答える訳には行かないでしょう。
まして、俺達をその厄介事に巻き込みたくないのなら、任務に関わる全てに付いては、何を聞かれたとしても答えない、と言う判断が正しいとは思います。
但し、俺達は、ラ・ロシェールでワルドの姿形を模したフレースヴェルグに出会って居ます。
もし、あのフレースヴェルグの登場が、ルイズ達の関わった事件と何か関係が有るのならば、情報を得て有る程度の判断をして置かなければ、いざと言う時の判断に迷いが生じて、結果として悪手を打つ可能性も有りますから。
才人が俺の問いに少しルイズを見た。そして、その後に、
「ワルドは敵だった。これ以上は、悪いけど話せない」
……と続けた。
ルイズも、そして、ギーシュもそれ以上は何も言おうとはしなかったのですが……。
ワルドが敵だった……ですか。
彼の事を俺は、三銃士内のワルド伯爵と似た立ち位置に居る人物の可能性が有る、と思っていたのですから、この答えに関しては驚愕すべき内容と言う訳では有りません。
……って言うか、才人は三銃士を読んでいないと言う事なのでしょうかね。この一連の流れの中での彼の対応から類推すると。
それで。確かに、部外者で異世界人の俺と、本名を明かせない留学生のタバサには、これ以上の情報を明かす事が出来る訳はないと言う事も理解出来ます。むしろ、ワルドが敵だった、と言う事を明かしてくれた事だけでも感謝すべき事なのでしょう。
何故ならば、アンリエッタ王女が信頼して任務を命じたグリフォン隊々長が国家に対する裏切り者だったと言う事を報せる事と成るのですから。
トリステインの統治は盤石では無く、調略は可能だと言う証拠と成りますからね。
「そうか。単に、好奇心から聞いてみただけやから、そう気にしなくてもええんや」
一応、そう答えて置く俺。それに、あまり詳しい情報については、こちらも話せない内容に抵触する可能性が有りますから。
例えば、俺の正体や、タバサの魔法。そして、……彼女の正体についてなどが。
但し、個人の友誼レベルの情報ぐらいなら話して置いても問題は有りませんかね。
特に、才人やルイズが関わっている事件に関係する可能性の有る内容については。
「そうしたら、俺はこれから少し、独り言を言うから」
一応、そう断ってから、何かを話し出そうとする俺。
但し、所詮は独り言ですから、内容に関しては聞き返す事は認めませ
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