第4章 聖痕
第30話 アルビオン編の後日談
[3/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
るのですが。
「それから、シノブ。あの呪符と宝石には助けられたよ」
具体的にどう言う場面で助けられたのか、と言う部分を語る事なく、才人がそう言った。
それに、具体的な場面に付いては語る事が出来ない場面での使用だった可能性は有りますから、これも仕方がない事でしょう。
才人やルイズの今回の任務は、国家機密に類する任務。任務の内容に関わる説明は出来なくて当然です。
「元々、オマエさんの身を守る為に渡した宝貝や。それが役に立ってくれたのなら、それ以上に嬉しい事はない」
一応、そう答えて置く俺なのですが……。
そもそも、あの呪符や護符に関しては、所詮は転ばぬ先の杖。本来ならば、そんな物に頼らずに、自ら危険を回避して行って欲しかったのですが。
それでも尚、そのアイテムによって一度は生命が救われたのなら、それに越した事はないですか。
「但し、それも一度だけ。次からは劣化して、何れは意味を失くす可能性も有る。
本来ならば君子危うきに近寄らず、これが一番正しい判断なんやで」
本当に、一応、クギを刺す意味からも、そう言って置くべきでしょうね。
何故ならば、これから先も、ずっとこのまま魔法攻撃に対して有利に戦う事が出来ると楽観視されていたら、非常にマズイ結果をもたらせる可能性も有りますから。
但し、一番説得力のない人物からの格言なので、この言葉が何処まで説得力を持つのかは疑問なのですが……。それでも、これも事実ですから。
それに、一度でも魔法を無効化したり、反射したりした事を敵が知ったのなら、二度と同じ方法では攻撃をして来ないと考えた方が良いのも当然です。何故ならば、何度も何度も、無駄な事が判っていて、同じような魔法で攻撃を加えて来る阿呆は現実世界では居ません。
敵がマヌケで、こちらの情報を収集する事なく敵対している、と言う場合ならば、こう言う小細工は何時までも効果を発揮するのですが。まぁ、普通は、そんな可能性はないでしょう。
兵は詭道。所詮は騙し合い。
本来なら、最後まで自らの手の内を隠し通した者が勝利する。そう言う世界ですから。
なので、本当なら、転移魔法も秘匿して置きたい能力だった訳なのですが……。
しかし、これに関しては仕方がないですかね。
「それと……ワルド子爵の姿が見えないようなんやけど、これについては、聞いても良いかな」
俺が姑息なのは何時もの事。これに関しては今重要な事ではないので、何処か遠くにさらっと流して……。
一応、ある程度の事情は察しているので、本来ならばこの質問……ワルドに関しては聞くべきではない部分だとは思うのですが、それでも聞かなければならない部分でも有ると思うのですよね、この質問に関しては。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ