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蒼き夢の果てに
第4章 聖痕
第30話 アルビオン編の後日談
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確かに、才人達があの城壁に追い詰められた状況で騎兵隊宜しく登場した事を、そう表現されたとしても仕方がないですし、美味しい部分を攫って行ったと言われたら、そうなのかも知れません。

 これが物語の世界で、才人達が助かる運命に有るのが判っていたのなら。

「俺やタバサは、ある程度の能力を持っているけど万能やない。才人達が居る場所が、あの城壁の上に現れるまで、何処に居るのかさっぱり判らなかったんや」

 事実を有りのままに伝える俺。もっとも、あの城壁の上に現れる直前に何かが有って、彼らへのダンダリオンに因る諜報活動を阻害していた何かが排除されたのか、それとも、そもそも、あの城の内部が何らかの結界、もしくは聖域と成っていてこちらの諜報を阻止していたのかは判らないのですが。

 俺のその言葉を聞いた才人が、ルイズの方を見つめる。そして、

「あの城壁の上に逃げるように言ったのはルイズなんだよ。必ず、近くまでタバサ達が来ているから、上空から見つけられ易い場所に移動すると言われたからな」

 ……と言った。

 成るほど。才人からルイズに対して、今回のアルビオンへの王命による渡航任務の最中に俺達が現れた理由の説明が為されていたかどうかについては未だ判りません。ですが、彼女自身が、俺達があのラ・ロシェールの街に現れた事が偶然では無いと思っていたとしたら、発見され難い城内に居るよりも、上空からなら発見され易い城壁の上に向かう事は理には適っていますか。

 但し、もし、俺達が近くに居なかった場合は、進退窮まって、降伏するか、死ぬかの二つしか選択肢が用意されていない、非常に危険な判断だったとは思うのですが。

 そんな事を考えながらルイズを少し見つめる俺。

「タバサの魔法の系統は風。風の魔法の中には、遠見の魔法が存在しているわ。
 それに、アンタやタバサへの信頼は、何処かの馬鹿犬と違って大きいもの」

 その俺の視線に気付いたからなのか、それとも別の意味からなのかは定かでは有りませんが、ルイズがそう答えた。

 確かに、何らかの襲撃が有る可能性から、傭兵たちを雇い入れてまで自分達の事を護ろうとしてくれた相手が、アルビオンに渡ったからと言ってそのまま放置してしまう可能性は低いと判断する事は妥当ですし、ルイズは俺達が風竜(ワイバーン)を連れているのも知っていました。
 ならば、攻城戦の真っ最中で敵に囲まれている城外に出て行く選択肢や、城内に隠れて敵をやり過ごすと言う選択肢よりも、より生き延びられる可能性が高い味方が救援の為に近付いて来ている可能性に賭けて、見事に勝利したと言う事なのでしょうね。

 もっとも、その伝説の虚無とかいう魔法の系統の中に、未来予知のような魔法が存在していたのならば、俺の予想など根底から覆される事と成
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