第3章 白き浮遊島(うきしま)
第29話 死体を飲み込むモノ
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何かを入れてから――
「アルビオンに出発すると言う訳やな」
☆★☆★☆
夜の天球を覆う煌めく星々の中、天空に浮かぶ白き島に向けて飛ぶ翼ある竜。
初夏の夜風が心地良く、空には満天の星と、少しずれた二重の月。そして、俺の隣には御主人様の蒼き姫。本来ならば夜間飛行としゃれ込むべき心躍る状況なのですが、事態が事態だけに、そんな不謹慎な考えは何処か遠くに放り出して置くべきでしょう。
それで、アルビオンに向かうのは俺とタバサのみと成りました。
それに、キュルケに関しても、フレースヴェルグとの戦いの時に、現在、自分達が巻き込まれている事件の質を知ったのか、今度は何も言う事は有りませんでした。
もっとも、船が用意出来次第、俺とタバサを追い掛けて来る事には成っているですが。
ジョルジュに関しては……本当は連れて行きたかったのですが、流石にキュルケ一人を置いて行くと言うのも問題が有りますし、それに、ルイズ達の任務が完了したら即座にアルビオンを発ってくれたなら、俺とタバサがわざわざ出向く必要などないはずなので、一応、留守番と言う形で残って貰いました。
もっとも、そんなに簡単に帰って来られるような場所に出向いている訳では有りませんし、更に、アルビオンは戦場です。不測の事態は想定すべきですから、この迎えは必要だとは思っているのですが。
それに、今回のアルビオン行きは、かなり危険な状態と成っているのも確かなのです。
何故ならば、現在、ルイズ一行への諜報が成功して居ません。
これは、ソロモン七十二の魔将の中の諜報担当のダンダリオンの情報収集能力が及ばない状態と成っていると言う事です。
確かに、彼女もオリジナルのダンダリオンなどでは無く、分霊と言う存在で有る以上、オリジナルほどの情報収集能力を有している訳では有りません。ですが、それでも、普通の人間に、彼女の鏡に映し出されないなどと言う状況を作り上げる事は難しいでしょう。
特に、霊的な存在を弾く結界などが表向き存在していない、この世界の人間には。
可能性としては、ルイズ達が結界……霊的な意味での結界なので、何らかの宗教関係の場所。神社仏閣。教会などの建物の中などに侵入している場合には、その場所の霊的な防御力に因っては、ダンダリオンの能力で有ろうとも覗き見を行う事は出来ません。
この状況なら問題は少ないのですが、もうひとつの可能性の方だと、かなり問題が有ります。
それは、彼女らの状況を覗き見られるとマズイ存在が居て、そいつが、ルイズ達一行の傍に張り付いている事によって、ダンダリオンの魔法を弾いて仕舞っている可能性が有ると言う事。
この場合は、非常に厄介な状況と成っている可能性が高い
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