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蒼き夢の果てに
第3章 白き浮遊島(うきしま)
第29話 死体を飲み込むモノ
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界が施されています。確かに、絶対に侵入出来ないと言う訳ではないのですが、それでも、この結界を蹴破って侵入出来るような大物……伝承で語られている主神クラスがわざわざ現れるとは思えません。更に、そんな連中が現れるにはそれなりの準備が必要と成りますから、これで多分、大丈夫でしょう。

 俺の依頼に対して、首肯く事に因って承諾した事を示すサラマンダー。
 それにしても、この世界に来てから初めてベッドで眠る事に成ると言う事ですか。確かに、タバサが言うように、蓄積された疲労から起きる単純なミスからピンチに陥るよりは、彼女の言うように、少しでもマトモな形で回復して置く方が正解ですか。

 俺の戦いもコンティニューの効かない戦い。一度敗れたら、余程の幸運に恵まれない限り、死亡して終わりの戦いのはずですから。

「せやったら、少し眠らせて貰うな」

 ベッドに横に成りながらそう言う俺。俺の方を見つめてから、少し首肯くタバサ。

「おやすみ、タバサ」

 瞳を閉じる前の最後の瞬間に、そう我が主様に告げる俺。
 但し、最後の挨拶に対して答えが返されたかどうかは、はっきりしなかったのですが。


☆★☆★☆


「……起きて」

 ……ゆっくりと揺り起こされる。
 ……聞き慣れた彼女の声。但し、俺が起こされるのは初めてですか。
 ……いや、俺の方も彼女を起こした事は無かったな。

「……おはよう、さん」

 少し、ぼぉっとした雰囲気ながらも、彼女よりも先に朝の挨拶を行う俺。但し、未だに目を開ける事が出来ずに、両手の手の平の部分で、両の目蓋を軽くマッサージを行うようにして、縫い付けられたように頑強に開く事を拒んでいる瞳を開こうとする。

「おはよう」

 何時もの通りの雰囲気で挨拶を返して来るタバサ。ここでようやく目を開ける事の出来た俺の瞳に、普段通りの蒼い御主人様の顔が映った。
 ……彼女の前では初めて寝起きのぼぉっとした様子を見せてしまったけど、別に呆れたような雰囲気はないな。

 上半身だけを起こしタバサを見つめる俺。未だかなり頭が働かない、ぼぉっとした感じなのですが、それでも、眠りに就く前に感じていた身体の怠さは改善されています。

 普段通りの晴れ渡った静かな冬の氷空の如き瞳。落ち着いた感情に因る揺れ幅の少ない雰囲気で、タバサの方も真っ直ぐに見つめ返して来る。
 ……いや、其処に少しの違和感。おそらく、これは陽の気。ほんの少しなのですが、今の彼女は少し上機嫌と言う感じか。
 これは、実際に何時間眠っていたのかは判らないけど、彼女に取っても良い休息となったと言う事なのでしょう。

「早く起きて、身支度を整えて」

 普段通り、抑揚の少ない淡々とした話し方でそう告げるタバサ。
 そして、腹に
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