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蒼き夢の果てに
第3章 白き浮遊島(うきしま)
第29話 死体を飲み込むモノ
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どうだって良いですか。それよりも、今は……。

【なぁ、タバサ。ひとつ聞いて置きたいんやけど、構わないかいな】

 一応、確認の為に、最初にそう問い掛けて置く俺。
 少し、俺の顔を見つめた後、ゆっくりと首肯くタバサ。しかし、この娘。まっすぐに見つめて来るから、どうしても、こっちの方が照れて仕舞って視線を逸らしてしまうのですが……。

 彼女自身が意識してやって居ると言う雰囲気なので、この娘は、俺に対しては、かなり高い交渉能力を持っていると言う事に成りますか。

 元々、じっと見つめられる事に慣れている訳ではないのですから。

【フレースヴェルグの台詞の中に有った、『神の頭脳』と言うのは、一体、何の事なんや?
 ヤツの口振りでは、俺の事を言ったように思うんやけど】

 細かい事は気にしないようにして。少し、彼女から視線を外して仕舞ったけど、この程度の事を聞く分には問題はないでしょう。
 ただ、俺は、確かに妙な知識は結構持ってはいますけど、神の頭脳などと呼ばれるほどの頭脳を持っている訳ではないとも思うのですが。

 その俺の質問に少し考える雰囲気のタバサ。そして、

【始祖ブリミルに使役された伝説の使い魔の事】

 ……と答えた。
 また伝説の使い魔ですか。これは、いよいよ厄介な事件が進行中の可能性も有ります。

【でも、貴方は違う】

 しかし、タバサは割とあっさりと、その俺が神の頭脳ではないか、と言うフレースヴェルグの言葉を否定した。
 そして、その理由については、

【始祖ブリミルの魔法の系統は伝説の系統の虚無。わたしの系統は風】

 ……と、告げて来た。

 成るほど。確か、この世界の使い魔は魔法の属性によって呼び出される使い魔が有る程度は決まっていましたね。

 但し、俺は木行の龍なのですが。この場合、タバサの風系統とは微妙にずれている可能性も有ると思います。
 本来、風を支配するなら、龍ではなく、白虎。どうしても龍を召喚するのなら、白龍を召喚するのが正しいと思いますから。

 ただ、彼女の二つ名は、『雪風』。つまり、風と水。縁を逆さに辿るとは思えないので、金行から水行への移り変わりと考えるなら、タオ的に表現するとタバサの五行は本来の風を支配する『金』ではなく『水』。この場合なら、木行の俺を召喚出来たとしても不思議ではないですか。
 まして、水行が示す五常は『智』。示す季節は『冬』。すべて、彼女を示す行が水で有る、と言う答えを示しているような気がしますね。
 まして、温度差を利用して起こすタイプの風の可能性も有りますから、水属性でも風を発生させる事は可能です。

 おそらく、タバサを示す陰陽は『陰』。五行は『水』。八徳は『智』と成ると言う事ですか。
 知的で冷静な判断
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