第3章 白き浮遊島(うきしま)
第29話 死体を飲み込むモノ
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物ばかりなので、タバサの口元におかずを運んでやる、と言う御仕事からは解放されています。
もっとも、タバサ自身も、かなり器用にお箸を使えるように成っていますから、本来なら、もうそんな事をせずとも自分一人でも食べられるようには成っているのですが。
「確かに、危険な亜人で有るのは認めますが、昨夜の彼らは異常です」
コンビニのオムスビを片手に持つイケメン吸血貴族と言う、妙な種族と化したジョルジュが俺の問いに答えた。
確かに、異常な状態だったのは認めますが。
「普通は、すべて死ぬまで戦い続けると言う事は考えられない」
オムライスを食べながら、そうジョルジュの台詞に続ける蒼き御主人様。
確かに、あの状況は異常でした。レミングの集団移住。いや、むしろ、軍隊アリの行軍と言う表現の方が近いかも知れませんね。
少なくとも、あの魔物たちは、真面な精神状態では無かった事だけは確かだと思います。
「でも、あれは、ほら、あのフレースヴェルグとか言う魔物が操っていた訳じゃないの?」
こちらはカレーをスプーンで掬いながら、キュルケがそう言った。
何故か、タバサにもカレーが似合うけど、キュルケにも似合うような気がするな。何故なのか、上手く言葉にして表現する事が出来ないけど。
但し、彼女の場合は、カレーにナンのような気もするのですが……。
まぁ、などと言う冗談は何処か遠くに放り出して。
確かに、キュルケの口にしたその可能性はゼロではないのですが……。
「ただ、その場合なら、ヤツを倒した後に正気に返った亜人や魔獣が殺戮を止めて、自らのねぐらへと逃げ帰るはずやと思う。
確かに、一度与えた命令をずっと実行し続けると言う類の精神支配は存在するから、フレースヴェルグの仕業ではないと決めつける根拠とは成り得ないけど……」
もっとも、フレースヴェルグに関する伝承に、そんな精神支配の能力を持っていると言う伝承は、俺の知っている限り存在しては居ません。
昨夜の亜人や魔獣の様子からすると、かなり強力な精神支配を行っていたと思います。そのレベルの精神支配を行うには、その能力はかなりの神話的裏付けを持っていなければ無理だと思うのですが。
フレースヴェルグに関しては、死者の魂を集める事と、風を起こすと言う伝承は有りますけど、魔物を操ると言う伝承は有りません。まして、ヤツに関しては、ラグナロクにも直接関係していなかったように記憶しています。
そうだとすると……。
「そのスヴェルの夜に魔物が凶暴化する、と言う話はないのか?」
考えられるとすると、この辺りが妥当な仮説ですか。
種の無い手品は存在していないと思います。ならば、月の作用で魔物が凶暴化すると言う特性を持っていて、そこ
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