第一章 無印編
第二話 『稽古と料理』
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Side 高町なのは
高町なのはです。
あの後、少し客間が静かになったから不思議に思った私は勝手に出て行っちゃってちょっと気まずい気持ちになりながらも部屋の中を覗いてみました。
するとシホちゃんがお母さんに抱きつかれて泣き出していました。
何事かと思ったけど、なにかとても温かい気持ちになりました。
だって、お兄ちゃんもお姉ちゃんも涙を流しながらも笑顔を浮かべていてお父さんもなにがあったか分からないけど何度も頷いている。
そして一緒にシホちゃんと泣いていたお母さんが私に気づいて、
「なのは、いらっしゃい。今日からシホちゃんはウチで暮らすことになったのよ。だからしっかりと挨拶をしなくちゃね」
「う、うん…」
私が近づくとシホちゃんはやっと泣き止んだのか顔を赤くしながらもこちらに笑顔を向けてきてくれた。
だから私は、
「私の名前は高町なのは。これからよろしくねシホちゃん!」
元気を精一杯込めて挨拶しました。
それにシホちゃんはしっかりと「うん、なのはちゃん」と答えてくれた。
でも、シホちゃんはなにか言いづらそうなのか「なのは、って呼んでもいい?」と聞いてきてくれたので余計私は嬉しくなったので何度も「うん、うん!」と頷きました。
これからシホちゃんも家族に加わってまた楽しくなってきそうです。
そのことは夜になってからすぐにアリサちゃんとすずかちゃんにシホちゃんの境遇(なのはには真実は伝えていない)も含めてメールで伝えた。
そしたらすぐに返事が返って来て、
アリサちゃんからは、『へぇ、面白そうな子ね。会ってみたいわ』
すずかちゃんからは、『お友達になりたいね』
と、嬉しい言葉がいくつもあったので何度もメールのやり取りをしちゃった。
そのうちお母さんが学校に通わせなくちゃねと言っていたのでそれがまた楽しみの一つです。
◆◇―――――――――◇◆
Side シホ・E・シュバインオーグ
…翌日になってわざわざ用意してもらった私の部屋で目を覚ました途端、昨日の事が非常に恥ずかしくなってしまった。
中身はもう大の大人だと言うのにあそこまで感情がグチャグチャになってしかも盛大に泣いてしまって情けない。
やっぱり九歳児という子供の体に精神が引かれてしまっているのだろうか?
…否定できないね。昔の私ならあれくらい耐えられた。
この分だと一年もたたない内に本当に子供の精神になってしまうかも…、という得も知れない気分になったのでとりあえず精神を落ち着かせる為に瞑想をしばし…。
「…I am the bone of my sword.」
そう、体は剣で出来ている。
いつも精神が揺らいだ時にはこの暗示にも似た呪文を唱えていた。
そして次第に気分が休まってくる感覚が分
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