第5話 これってデート?
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神崎=H=アリアは現在非常に緊張していた。
あの作戦会議が終わり、アリアは、クルトに色々聞こうと少しばかり緊張しながらも勇気を出して話かけた。するとクルトが、「なら今夜一緒に飯でもどうだ?そん時に色々話そうぜ」と言いだしたのだ。
それを聞いたアリアは当然慌てた。
(こ、ここここれってデ、デート…よね)
正直クルトの方がデートと思っているかは疑問ではあるが、アリア自身は完全にデートだと思っていた。
だから今も、自分の部屋で真剣に着ていく服を選んでいる。現在の時刻は午後4時。集合時間は6時だ。そう考えればまだまだ時間的余裕はあるのだが、今のアリアにはゼロに等しい。
「可愛い感じの服かしら?それともちょ、ちょっとだけセクシーな感じに…ってダメよダメ!」
と傍から見たら楽しそうな表情を浮かべ、服装を選ぶアリア。
自分がとても楽しそうな表情をしている事を、今のアリアは気付いていない。
そしてアリアはようやく着ていく服が決まる。結果として選んだのは、ミニスカートに長袖のシャツ。上からニットのカーディガンを羽織るという至って普通の恰好。
「へ、変じゃないかしら」
鏡を念入りに見て確認するが、批評してくれる人間はいない。
先祖代々の推理力が一切遺伝していないアリアは、ホームズ家との仲は良好とは言えないのだ。
ふと時間を確認すると、既に時刻は五時半に差し掛かろうとしていた。
「あっ!もうこんな時間!」
一時間半以上も自身のコーディネートに時間を割いた事に多少の恥ずかしさを感じるも、今まで経験してこなかった事を新鮮だと少しだけ思いながら、アリアは集合場所に駆け足で向かうのだった。
* * *
結局十分程アリアは遅刻してしまった。
待ち合わせ場所に着くと、そこには既にクルトが立って待っていた。着ている服装は、薄茶のカーゴパンツに、赤のVネックのロングティーシャツ。その上からキャメル色のショールカーディガンを着ている。
十四歳にしては慎重が高いクルトに、その恰好はかなり似合っており、アリアは思わず見惚れる。それと同時に、一気にクルトの事を意識していしまう。
クルトの顔はアリアから見てもかなり整っている。
今までアリアが見てきた、優しい、王子様ような感じではなく、ワイルドな、ダークヒーローといった感じだ。
(な、なんか胸がドキドキするわね…)
妙に意識してしまい、クルトに向かう速度が徐々に遅くなっていく。
既に遅刻しているのだが、そんな事は既に頭の中からスッポリの抜け落ちている。
その間も、胸のドキドキは一向に収まらない。
すると、クルトが、アリアに気付いたのか、笑って手を振った。たったそれだけの事で、アリアはドキッとす
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