第5話 これってデート?
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リア誘拐事件で、クルトは圧倒的な強さをもって犯人達を捕まえた。
その強さにアリアは憧れ、そして追いつきたいと強く願った。
その結果、ロンドン武偵局…というか戦闘力だけなら現イギリス、もしかしたらヨーロッパ最強であるレズリーに教えを請うという形に辿り着いたというわけだ。そしてそこで念を習得した。
(あんたに憧れてなんて言えるわけないじゃない…)
「お前も頑張ってるんだな」
「ふ、ふんっ!そうよ!少しは見直したかしら?」
それを聞いたクルトは、静かに笑う。
まるで「何を言っているのだ」というその表情に、短気なアリアは噛みつこうとした。しかし、その直後のクルトの表情にアリアの動きは止まる。
「―――見直すも何も、俺はお前を尊敬してる。まだ出会ってから少しの時間しか過ごしてないけど、俺はお前の眩しいくらいの真っ直ぐさに憧れてるんだ。…俺は、アリア、お前に会えてホントに良かったって思ってんだよ」
「―――――――――――――――」
息が止まる。
一瞬何を言われたのかアリアは理解出来なかった。
物心ついたときから、アリアにはホームズ家が代々遺伝する超人的推理力が備わっていない事により、一族から蔑まれてきた。「無能」、「役立たず」。そんな言葉に負けないように、アリアは努力を続けてきた。
全ては初代ホームズのような立派な武偵に成る為に。
それでも、誰からも必要とされない人生は、アリアの心を徐々に蝕んでいった。どんなに努力しても、どんなに苦しい思いをしても、誰からも必要とされない。
―――だけど、目の前にいるこの人なら、あたしを必要としてくれてる。
そう思った瞬間。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!?」
アリアはその場で立ち上がり、とんでもない速度でアタフタし始めた。勿論赤面癖どころではなく、身体中が真っ赤っかで、いまにも火を噴きそうな勢いだ。
「お、おいどうしたアリア。店の中だから落ち着けっ」
そう言って、クルトも立ち上がり、アリアの両腕を掴む。
しかし、アリアが思いっきり暴れている中、それを無理矢理掴めば、必然的に、クルトも僅かにバランスを崩す。その結果―――。
―――チョン。
クルトのアリアの鼻先が微かに触れ合う。
…ボンッ!!
アリアがショートする。「ふにゃあ〜〜」とか言いながら、椅子にもたれかかるアリアを見て、「ようやく落ち着いたか」と、見当違いな事をのたまいながら、クルトも椅子に座る。
その間も、アリアは真っ赤になり過ぎて、視界がグラングランしている。
考えている事は一つだけ。
(な、なんでこいつ…こ、ここここんなに―――カッコいいのよッ!!?)
最早完全にただのバカであ
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