第5話 これってデート?
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る。
そんなアリアの内心など知らないクルトは、軽く走りながら向かってくる。
「よおアリア」
「え、ええ」
「どうした?顔真っ赤だけど」
「ななな何でもないわっ!!」
「そ、そうか。よしなら行くか」
「え、ええ」
お互いに短い会話だけを行い、二人は夕食に出かけたのだった。
* * *
夕食はロンドン市内のオシャレなレストランで取る事になった。
家族で来るというよりも、恋人同士が来るような店内の雰囲気に、アリアは余計「デート」を意識させられた。
クルトが思いのほか普通にしているので、自分だけが意識するというのも癪なので、必死にいるも通りを演じるアリア。が、かなり緊張しているせいで、声が裏返ったり、噛みまくってしまったりしていた。
「それであんたは四年間その遠山一族の所で修行してたわけね?」
現在は何とかいつも通りに戻ったアリアは、クルトと近況報告的な事をしている。
「ああ。まあ、そこのジジイがスケベなんだけどかなりの使い手でさ」
「それって念も含めて?」
「まあ、念よりも体術の方が凄いな。あくまで俺個人の感想としてはだが」
「ふうん。あたしも会ってみたいわね、その遠山鐡って人に」
本当に会ってみたいアリアは、真剣な表情で呟く。
「なら今度二人で行くか?日本」
クルトのその言葉に、アリアの表情は一気に真っ赤になる。
一体何度真っ赤になっているのか。
「ふ、ふふふふ二人で!?そ、それって…ッ!?」
完全に勘違いしているアリア。
クルトはそれに全く気付かない。
「また顔赤くなってんぞ?ちなみに念のために言っとくが俺とお前は十四歳だからな?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!?」
クルトのその一言で一気に恥ずかしくなり、顔だけでなく、身体中が真っ赤になる。クルトから完全にムッツリスケベだと思われたアリアは、思考回路が完全にショートし、騒ぐでもなく、怒るでもなく、ただ黙り込んでしまった。
「ところでお前はどうやって念を習得したんだ?」
アリアが恥ずかしさで黙り込んだことなど全く分かっていないクルトは、普通に話しかける。
そんなクルトの態度に、アリア自身も馬鹿らしくなり、もうなんでもいいや、という気分になってきた。
「はあ…」
と、溜息を一つ吐く。
「レズリーさんに教えて貰ったのよ」
「あのジジイに?」
「ええ」
それだけ言って、アリアは食事に戻る。
これ以上この話はしないという遠まわしな意思表示である。
その理由は、アリアがレズリーに師事したのは、単純にクルトの強さに憧れたからだった。あの日、初めて二人が出会った日に起こったア
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