小ネタ
BAD END ルート
蛇足時代END、別ver
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ってしまったのだから。
「――〜〜っ!!」
堪え切れぬ激情を押し殺す様に、男が強敵を喪ってしまった事への慟哭の叫びを上げる。
荒ぶる内心を示す様に、他を威圧する迫力に気圧された様に、静電気に似た痺れが世界を奔った。
――暫しの間沈黙が世界を包んだが、直ぐさま男の口より紡がれた煮えたぎる溶岩を思わせる物騒な言の葉によって、その空気は霧散した。
「……良かろう。貴様が止めはせんと言うのであれば、オレに取っても好都合だ。――九尾と、八尾、捕らせてもらう」
ゆらり、と幽鬼を思わせる動きで男が立ち上がり、鋭い紫の双眸でこちらへと駆け寄ってきた金髪の少年を睨みつける。
激情に支配された眼差しに、少年が僅かに後ずさり――そんな彼を守る様に黄色い砂が男を拘束しようと空を切った。
「ナルト……。お前は今すぐ本体へ還ってこの状況を知らせておけ」
夕日に似た赤い髪の青年が、金の髪の少年を守る様に前へと進み出る。
「なに、ワシらとて里の忍びを統べる影じゃぜ? そうそう遅れをとらせんわ」
どん、と胸を叩いて、空を舞う老忍者が闘志を奮い立たせる。
「初代様のお蔭で残る戦場はこことあちらだけ。ならば尚更、押しとどめておかないと」
緊張を隠せない表情で、長い亜麻色の髪を持つ女が印を組む。
「うちはマダラか――相手にとって不足無しだな」
全身を蒼い雷遁のチャクラで包まれた褐色の肌を持つ大丈夫が拳を握る。
「大叔母様に比べたら物足りんとは思うが、此処は意地でも通させんぞ」
そうして最後に。
背中で二つに括った金髪を風に靡かせた、豊満な肢体の女が傲然と立ちはだかる。
世に名高い五影を視界に認めて、男はうっそりと嗤い――波紋を描く眼差しを彼らに向ける。
肌を刺す勢いで放たれる威圧感を前に、それでも彼らは気圧される事無く応戦の意思を見せた。
「五影風情が随分と粋がるな。まあいい、貴様ら程度ならば少しばかりオレが本気を出しても死にはしないだろうよ」
投げやりに放たれた挑発に、五影を包む雰囲気が不穏に揺れる。
――――そうして、どちらともなく新たに相対した彼らは地を蹴った。
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