正体
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レストアが最後に意味深な言葉を言った。
『おい、それはどういう意味だ!』
そう叫んだときにはもう、レストアの気配は完全に消えていた。
現実に意識を戻すと、破裂音が響き、キリトが吹っ飛ばされていた。そこにアスナとユキがそばに行く。そのあとに続き、ゲツガも近づく。キリトは頭を振りながら上体を起こし、薄い笑みを浮かべて、ゲツガたちに見せるように、手を開く。そこにあったのは、涙の形を模した大きなクリスタルだった。
「キリト、これは?」
ゲツガがキリトに問い返す。
「ユイが起動した管理者権限が切れる前にユイのプログラム本体をどうにかシステムから切り離して、オブジェクト化したんだ……。ユイの心だよ、この中にあるのは……」
そう言って、アスナの手の上にそっと置く。ユキはアスナの手の上からそれに触れる。
「また……一緒にいられるねユイちゃん……」
「私はそうじゃないけど、また……会えるんだね……」
二人は涙を流した。その涙に反応したのか一瞬だけユイの声が聞こえたような気がした。
『ずっと一緒です……』
ゲツガは返事を返すように呟いた。
「ああ、これからも一緒だ……」
そして涙の形をしたクリスタルはもう一度、今度は確実に瞬いた。
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