第八十二話 猛攻!毒蛇部隊
[14/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
わけ?」
「何だと?」
ここでフェイに顔を向ける。
「今のところ何もしてないわよね」
「おいおい、真打ちは最後に出るものだぜ」
「あつまり最後まで寝てるってことね。駄目駄目じゃない」
「ええい、口の減らない女だ!」
フェイの攻撃にたまりかねて言う。
「俺の腕を見てから言え!」
「じゃあ見せてよ、早く」
「黙っていろ!じゃあ見てな!」
ハッターはさっと動いた。その帽子を投げる。
「トゥッ!」
帽子は激しく回転しながら敵に向かった。そして敵の小隊の側を通過する。その際その敵達を激しく切り裂いていたのであった。
数個爆発が起こる。ハッターはそれを見て得意気に言った。
「どうだ」
「大したことないじゃない」
「何だとっ!まだわからないのか!」
いい加減ハッターも激昂してきた。
「この俺のパワーとテクニックが!」
「そんなことあたしにだって出来るわよ。大口叩く暇あったらもっと頑張ってよね」
「くーーーーーーーーーっ、口の減らない女だ!」
「何かまた濃いのがやって来たな」
「賑やかになりそうです」
凱とボルフォッグはそんな彼等を見ながら話をしていた。何はともあれ彼等の参戦は戦局に非常によい影響を与えていた。
「大佐、まずいぜ」
ジンがグン=ジェムのゲイザムに通信を入れた。
「このままじゃ」
「わかっておる」
グン=ジェムはそれに応えた。既にケーンから間を離している。
「ここは一旦退くぞ。そして態勢を立て直す」
「ああ」
「ゴル、後詰を頼むぞ」
「わ、わかった」
「毒蛇部隊撤退だ。後方に退くぞ」
「おうよ!」
グン=ジェムの指示と共に彼等は戦場を離脱した。彼等の撤退と共に戦いは一先は終わったのであった。
だが微妙に後味の悪い戦いであった。とりわけケーンにとってはそうであった。
戦いが終わりナデシコに帰還したケーンは非常に疲れた顔をしていた。そして一言も言わずに自分の部屋へと引き揚げたのであった。
「危険ですね」
ルリがそんな彼の後ろ姿を見てこう言った。
「今のケーンさんは」
「ルリちゃんにもそれがわかるか」
「はい」
ライトの問いに頷いた。
「今のままですと。よくありません」
「どうすりゃいいかな」
タップが問う。
「あのままじゃ。やっぱりまずいよなあ」
「今日のところはまずは静かにしておきましょう」
ルリは淡々とした口調で言った。
「ケーンさんのことです。明日にはまず出て来るでしょう」
「そんなに上手くいくかね」
「いえ、いくと思うわ」
リンダがタップとライトに答えた。
「ケーンは。あまりしがらみに捉われたりしないから」
「つまりは単純ってわけか」
「ですがその単純さがケーンさんのいいところです」
「誉めてるの、それ」
「はい」
ルリはライトの言葉に頷
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ