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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第八十話 女王としての意地
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何処からなのか。まだそれは掴めてはいない。しかしそこに何かを感じた。そう、それは殺気だった。
「!?」
その殺気はゼンガーに向かって放たれていた。一直線に。左から来ていた。
「そこかっ!」
ゼンガーは剣を一閃させた。そこにククルの姿が現われた。
「ヌウッ!?」
気配が乱れたのだ。思わぬ攻撃にククルは姿を現わしてしまった。それこそが何よりの証拠であった。
「やはり!そこにいたか!」
「チイッ!」
だがここでククルは咄嗟に動いた。分身したのだ。
それでゼンガーの剣をかわした。紙一重であったがそれでもかわすことができた。
「わらわの攻撃、感じたというのか」
「貴様の殺気をな」
ゼンガーは言った。
「それは容易に感じることができた。貴様の殺気はあまりにも大きい」
「ヌウッ」
「俺を殺そうとする憎悪の心までは消すことは出来ない。それを忘れていたな」
「殺気か」
「そうだ。そして貴様にその憎悪の心がある限り俺に勝つことは出来ぬ」
「ぬかせ、人間が」
ククルはその眼を吊り上らせて言う。
「この邪魔大王国の女王に対して無礼であるぞ」
「人間か」
「左様」
ククルはその整った白い顔を紅潮させていた。
「ヒミカ様の後を受け継いだわらわを愚弄するとは。万死を以って償わせてやる」
「愚かな。自らを侮辱するとは」
「自ら!?どういうことじゃ」
「ククル、貴様もまた人間だということだ」
「またその様な戯れ言を」
「戯れ言だというか」
「そうじゃ、わらわが人間などと」
口までもが裂けてきていた。
「只では殺さぬぞ」
「では聞こう。貴様の姿、それは何だ」
「わらわの姿!?」
「そうだ。その姿、邪魔大王国のものではない」
彼は言った。
「人のものだ。それがわからぬか」
「馬鹿な、だからといって」
「見よ、ククル」
ゼンガーはククルに指を突き付けて言った。
「貴様の真の姿を。今の貴様はそれを忘れている」
「忘れているだと」
「そうだ。貴様は人間なのだ」
「まだその様な」
「その身体に流れる赤い血もまた何よりの証拠。まだわからぬか」
「わからぬ。わらわは邪魔大王国の女王」
それでも彼女は認めなかった。
「それ以外の何者でもないわ」
「そうか、では思い出させてやる」
ダイゼンガーは剣を構えた。
「この俺の剣で。貴様を束縛するものを断ち切ってやる」
「そしてわらわに思い出させるというのか!?人間というものを」
「そうだ」
ゼンガーの言葉には澱みがなかった。
「ダイゼンガーの剣は悪を断つ剣。今その悪を断つのだ」
「ならば断ち斬ってみるがいい」
ククルはその憤怒に燃えた顔にあえて笑みを作って返した。
「その様なものがあるのならばな」
「ならば推して参る」
恐ろしいまでに巨大な剣を構え
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