第八十話 女王としての意地
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」
ライはリュウセイの言葉にこう返した。
「それは御前もわかっていると思うがな」
「そうだったな」
これにはリュウセイも頷くしかなかった。ティターンズのアースノイド至上主義は方便に過ぎない部分が多々にあるのだ。
その技術者にはジオンにいた者が多く、またサイド3との関係も深い。ジャミトフ自身がサイド3との交流を深めてきているのである。そしてジュピトリアンの勢力やクロスボーンバンガードもその下に置き、地上ではドレイク達と同盟を結んでいる。その実態はジオンではないのかという者達すらいるのだ。
「どうやら奇妙な連中がティターンズに接近しているらしい」
「何だよ、オルファンか?」
「いや、また別の組織だ。何でもブルーコスモスというらしい」
「ブルーコスモス!?何だそりゃ」
リュウセイははじめて聞く名を耳にして顔を顰めさせた。
「聞いたことねえぞ、そんな組織」
「何でも地球至上主義者の集まりらしい。軍事産業を基盤としたな」
「武器商人か?」
「簡単に言うとそうなる。アナハイム=エレクトロニクス社とはまた別のな」
「アナハイムとはまた別か。あそこの社長も相当な狸親父だけどな」
メラニー=ヒュー=カーバインのことである。彼は月に本社を置いている。連邦軍、そしてロンド=ベルと関係が深いことで知られている。
「欧州に拠点を置くらしいな」
「そうか。で、そこのボスは何て言うんだ?」
「ムルタ=アズラエルというらしい。まだ若いそうだが」
「どっちにしても碌な奴じゃなさそうだな」
「あるサイドに対して異様な敵意を抱いているとも言われているしな」
「何かやばい奴らしいな」
「どうも家柄だけでブルーコスモスの理事になったらしい。それなりに切れるが」
「そこそこ止まりってことかよ」
「そうらしい。まあジャミトフがそうした奴をどう使うか、だな」
「あのおっさんだったら平気で使い捨てにしそうだけれどな」
「まあそこまではわからんだ。ただそうした組織がティターンズに接近しているのは事実だ」
「どっちにしろ敵だってことか」
「そういうことだ。これでいいか」
「ああ、大体はわかった。済まねえな」
「何、いいことだ。しかし」
「しかし。何だ?」
悩む顔をしたライに対して問うた。
「いや、思えばおかしな話だと思ってな」
ライはそれに応えて言った。
「連邦軍から出て来た組織なのにジオンに似ているというのも」
ティターンズのことであるのは言うまでもない。
「矛盾していると言えば矛盾しているな」
「まあそういやそうだな」
それにはリュウセイも頷いた。
「ネオ=ジオンなんていうジオンそのまんまの連中もいるしな」
「結局俺達はジオンの残照と戦っているということになる」
「ジオンの残照か」
その言葉に誰かが反応した。
「確かに
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