第二十一話 今更出て来た男その九
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「さあ、たっぷりと飲め」
「遠慮はいらないからね」
「戦いは終わったか」
ゴセイナイトはそのワインをグラスで飲みながらしみじみと語る。
「そうか、既にか」
「まあそれはな」
「いいとして」
戦隊側も敵側もそれはもう完全に終わらせていた。
「それよりも今は」
「楽しくやらないとね」
「そういうことか」
また頷くゴセイナイトだった。箸でラーメンも食べている。
マスクのままラーメンを食べながらだ。また話す。
「美味いな」
「中華料理以外にもあるし」
「さあ、どんどん」
「では。これを食べてだ」
食べながらの言葉が続く。
「次の戦いに向かうか」
「まあ少なくとも我等との戦いはない」
「それは安心してね」
またメギドとキメラが話す。
「ジャシンカはこれから誰もが明るく楽しく暮らせる愉快な国を目指す」
「同時に豊かで美しい国をね」
「平和になんだよな」
「結局戦わなくてもそういうものって手に入るんだ」
「そうね」
皆このことにも気付いたのだった。
「考えてみたら」
「それだけで」
「戦わなくても楽しいことは一杯あるしな」
「確かに」
このことも話される。
「それを考えたら」
「もう強いてことを荒立てずに」
「こうして飲んで食べて騒いで」
「楽しくやればいいよな」
「そうよね」
「よし、それではだ」
ゴセイナイトがまた言う。右手に杯を持ってである。
「皆、これからの為に」
「ああ、乾杯な」
「それよね」
「そうだ、乾杯だ」
それだというのである。
「いいか、それで」
「もう乾杯していますよ」
だがここで天知博士がこう言うのであった。
「それはもう」8
「何っ、そうなのか」
「はい、もう皆さん既に」
「美味しく飲んでますよ」
お魚博士も笑顔で話す。
「いやあ、美味しいですよね」
「だってワニの店だから」
ヤツデンワニは自分の店の自慢をする。
「それも当然」
「そうだったのか」
それを言われて、であった。ゴセイナイトはさびしい声を出したのだった。
「既にか」
「だってさ、もうパーティーはじまってから随分経つし」
「それだったらね」
「皆もうかなり食べてるし」
「そうそう」
「私は遅れてきてしまったのだな」
このことをあらためて噛み締める次第だった。
「完全に」
「残念だけれどそうなるね」
ボンバーもこのことはフォローできなかった。
「もう少し出番が早かったらよかったんだけれど」
「俺は最後に間に合ったが」
壬琴は完全に復活していた。それを噛み締めながらの言葉だった。
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