第二十一話 今更出て来た男その六
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「隠し芸の時だな」
「あれをやろうぜ」
「漫才?」
二人にツエツエが答える。
「それ?ひょっとして」
「何かいつも通り?」
「いつも通り?」
ナイとメアがそれを話す。
「何か他に芸はないの?」
「ないの?」
「いや、面白いからいいだろ」
「そうだね」
イフリートとトードはそれでいいとしたのだった。
「いつも通りの漫才でもな」
「普段からそうだしね」
「そうだね。何かこの面々は皆そうみたいだけれど」
「その通りだな」
サイクロプスがワイバーンに続く。
「そうした者が多い」
「全くだね」
「しかしそれでいいな」
「そう思えるわね」
ダゴンとゴーゴンも今はこう考えるのだった。
「こうして賑やかにな」
「やっていくのならね」
「暴れるのよりも楽しいことがあったんだな」
「そうだな」
スレイプニルはワイバーンの言葉に頷いていた。
「今ではこうしている方がだ」
「ずっと楽しいぜ」
「そうだ、暴れて騒ぐのは最早卒業するべきだ」
メギドもそれを言う。
「地上征服も。思えば馬鹿な目的だった」
「そうね。カー将軍を失ってまですることではなかったわ」
「父上も亡くなられた」
キメラもメギドもふと悲しい顔になる。
「それを思えばだ」
「戦いで得られるものは少ないわ」
「じゃあこれからはあれね」
テトムがその二人に問う。
「ジャシンカは平和国家を目指すのね」
「いや、ダイナマンとの決戦の後からそれを目指している」
「戦いの後でね」
そうなっているというのだ。
「あの時我等は一度死に滅んだ」
「そこから考えたのよ」
「成程な」
「いい勉強になったわけやな」
館長とまほろはその言葉に頷いた。
「うむ、いいことだ」
「ほんまや」
「それでだが」
「ジャシンカは観光にも力を入れようと思ってるのよ」
観光は産業でもある。産業なくして国家はない。
「それでだ」
「よかったら来てくれるかしら」
「観光ですか」
「っていうと何があるの?」
今度は介さんと笑里が問う。
「ジャシンカは地下ですが」
「鍾乳洞とかそういうのかしら」
「勿論鍾乳洞もある」
「そして地下の動物達を集めた水族館もね」
「その他にはテーマパークを建設予定だ」
「名付けてジャシンカテーマパーク」
そうしたものだというのである。
「どうだ、来てみるか」
「その担当も決めないといけないし」
「何かかなり頑張っているんだな」
「その通りでございますです」
スモーキーとマンドラゴラもそれは認めた。
「行ってみたくなったな」
「確かにでございますです」
「一度お邪魔していいかしら」
「我等も」
スフィンクスとティターンもそれに関心を見せる。
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