第二十一話 今更出て来た男その二
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「我がジャシンカは最早武力に訴えることはない」
「そんなことをしても人材と資源が減るだけだからね」
「まあこんな人材ばかりじゃな」
「戦争しても強くなさそうだし」
「失敗するのは目に見えてるし」
「確かに」
皆ここでは敵の面々を見て言う。
「戦術指揮とか作戦立案とか苦手だし」
「お笑いの才能はあっても」
「だからねえ」
「そこ、五月蝿いわよ」
シズカが顔を顰めさせてそのうえで抗議する。
「それじゃあ私達が無能って言ってるのも同じじゃない」
「いや、そうじゃないのか?」
「なあ」
「どう見ても」
これも皆が言う。
「あんた達まともに作戦考えてる奴少ないじゃないか」
「基本的にあれだろ?怪人出してその力で暴れさせる」
「それだけじゃないか」
「何っ、それが戦いだろ」
「違うっていうの?」
ヤバイバとツエツエは本気で言っている。
「戦いってのはな」
「そういうものでしょうが」
「駄目だこりゃ」
「全然進歩しねえし」
「学習能力もないからねえ」
「そっちの方面は」
酷評が続く。何の容赦もなく言っていく。
「けれどジャシンカじゃ大臣か高官か」
「まあ頑張ってね」
「一応ね」
「登用の時点で冒険だけれど」
「しかも大冒険」
「全員だし」
そこまでだというのである。とにかく無茶苦茶な人事であるというのが戦隊側の見ているところである。しかもまだあるのだった。
「それでジャシンカって人口どれ位ですか?」
「この連中も入るから増えると思いますけれど」
「それでどれ位なんでしょうか」
戦隊側だけでなく敵側からも問う。するとメギドとキメラは落ち着いて言うのだった。
「そうだな、おおよそ五十万だな」
「そういうところね」
それだけなのだという。
「我が国は元々人口は多くない」
「建国からそうだから」
「ああ、そうなんだ」
「五十万位なんだ」
「そんなに多くないんですね」
皆それを聞いて少し頷いたのだった。
「そうか、それだったら」
「何か上手くまとめられそうですね」
「食べ物とかも普通にどうにかなりそうですね」
「食糧自給率は百パーセントだ」
メギドはその割合についても把握していた。国家元首として把握するべきことはしっかりと把握しているらしい。かつての猪武者ではなくなっていた。
「そちらの心配はない」
「それに資源もあるし」
「そうだ、資源もある」
「しかもかなりね」
資源もであるというのである。
「それで産業も興してるし」
「国は豊かだ」
「つまり政治のしがいがある、か」
「それもこの連中が政治をしても普通にやれそうだし」
「そこまで好条件なら」
皆そこまで聞いてであった。かなり安心したのだった。
そしてである。さらに話し
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