第16話 初めての失敗と…
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飛び込んできたのは
市街の中心にほど近い場所から生えてくる巨大な樹が、街を浸食している光景だった。
「えっ……」
あまりにも非日常的な光景に呆然とする。
後から続いたアリサも、なのはも同じように唖然とした表情をしたり、手で口を押さえて必死に驚きを抑えようとしているようだ。
しかしそんな中、純吾だけが驚く事もせずおもむろに携帯を取り出し、マカラを召喚した。
「マカラ、あれを見渡せる所に行って」
そう短くマカラに告げ飛び乗る。
「了解シタ、サマナー」
「あっ、純吾君まってほしいの!」
なのはの制止も聞かず、純吾を乗せたマカラが出発した。いつもならなのは達の言葉を無視するなんてありえない事だが、彼の視線はあの大樹にしか向けられていなかった。
「ほらなのちゃん、急いでジュンゴ追いかけるわよ!」
純吾の常にない行動に動揺していたなのはにリリーが急かすように告げる。彼女の先程までのおちゃらけた雰囲気はとっくになりを潜めていた。
今は心配するような、焦っているかのような目をジュンゴが飛び去った方向へ向けている。
「わ、分かったの。ユーノ君!」
なのはの肩にユーノが飛び乗る。純吾を追う準備は整った。
「じゃあアサリンにすずちゃん。ちょっとあれどうにかしてくるから、大人しくここで待ってて頂戴ね」
そう言い残して、翼を広げたリリーはなのはを抱え、小さい旋風を起こしながら飛び去って行った。
純吾がいるビルは、大樹から若干離れた所に建っていた。
そこはある程度街を展望できる場所だが、今そこから見える街並みは、見渡す限り植物に覆われている。
それもただ植物が氾濫しているのではなく、根やツタが道路を突き破ってビルに突き刺さり、また持ち上げられ、押しのけられたそれらが更に傷跡を増していくような、街のあちらこちらに甚大な被害を及ぼしながら刻一刻と成長を続けていたのだ。
「こんなに広がっていたなんて……」
「恐らくですが、人がジュエルシードを発動させてしまったんです。人の強い思いによって発動した場合、ジュエルシードは一番強い力を発揮するから……」
地上から見たときよりも酷い状態だった事に俯き暗い顔をするなのは。また彼女に説明するユーノの声も自然この光景を目の当たりにして暗いものとなる。
今までは大した被害を街に出さずにジュエルシードを封印する事が出来ていた。親友からの声援に家族の理解、そして純吾と仲魔のサポートを得ながら、最近は若干疲れはしていたが封印作業は順調そのものだったといえるだろう。
だからこそ、なのはたちはジュエルシードの危険性を、自らも命の危機にあったというのに忘れていたのかもしれない。
そし
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