第七十七話 解放されし悪魔の力
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第七十七話 解放されし悪魔の力
願いを聞き入れてもらったゲッターチームは早乙女研究所に急行していた。武蔵の乗るブラックゲッターも一緒である。
「何か研究所に帰るのも久し振りだな」
「そういえばそうだな」
隼人は武蔵の言葉に応えた。
「今まであちこちを飛び回って戦っていたからな」
「シカゴじゃ死んだものと思ったしな」
「あれは本当に心配したぞ」
竜馬が武蔵に対して言う。
「ゲッター線に飲み込まれてな」
「けれどシュウの奴が助けてくれた」
「そのことは感謝しているさ」
「けれど。引っ掛からねえか?」
「それはあるな」
隼人はまた応えた。
「あのシュウだ。きっと何か企んでいる」
「問題はその企んでいるのが何かってことだよな」
弁慶も言う。
「どうやら今は俺達の敵じゃないみたいだがな」
「いや、それもまだわからないな」
隼人は猜疑心に満ちた声でこう述べた。
「あの男だけは。何を考えているかわかったものじゃない」
「それじゃあまた敵に回る可能性もあるってことか」
「それは有り得るぞ」
隼人はまだシュウを警戒していた。
「あいつが何を考えているか誰にもわかりはしないんだからな」
「今度は何を」
「さてな。今度あいつが俺達の前に姿を現わした時に欠片程度は見せてくれるかもな」
「欠片か」
「どうなるかはわからん。だがきっと何かを考えている」
隼人は言う。
「俺ですらその程度しかわからん。あいつのことはな」
「そうだな」
「こりゃ待つしかねえんだろうな」
「巴先輩は待つのは得意でしたよね、そういえば」
「柔道ではそれも大事だからな」
「HAHAHA、ミーとは違う流儀デスね」
「兄さんは我慢できないだけでしょ」
そして早乙女研究所に着いた。だが敵はまだ姿を見せてはいなかった。
「もう来てくれたのか」
早乙女博士はゲッターチームとの再会を喜びながらこう言った。
「また行動が早くなったようだな」
「そうでないと生き残れませんからね」
隼人がクールにこう言う。
「この戦いは」
「そうか。ところで話は聞いていると思うが」
「敵はミケーネですね」
「そうだ。それも指揮官はあしゅら男爵とブロッケン伯爵らしい」
「あの二人が」
「何でまた連中が」
「七大将軍が全員出払っていてな。彼等しかいなかったらしい」
「ゴーゴン大公とかは出なかったのですか」
「そこまではわからないが。とりあえず彼等が来ているらしい」
「成程」
「それで連中は何時来るんですか?」
「もうすぐらしい。それで帰って来て早々申し訳ないがすぐに出撃してくれないか」
「了解」
「その為に来ましたからね」
こうして彼等は出撃した。武蔵達の乗るブラックゲッターも一緒であるのは言うまでもない。
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