第七十七話 解放されし悪魔の力
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児!」
あしゅら男爵はそれを受けてグールを前に出そうとする。
「こうなればこの手で!」
「待て、あしゅら男爵!」
だがそんな彼をブロッケン伯爵が制止した。
「止めるなブロッケン伯爵!」
「貴様がどうなろうと知ったことではない!だがそれはわしのグールだぞ!」
「チイッ!」
「下手なことをして破壊されたら困る!さっさとここは退け!」
「退けというのか!」
「名誉ある撤退だ!機械獣も既にその数を減らしておるわ!」
「ヌウウ」
見れば八割以上が破壊されていた。これ以上の戦闘は不可能であった。
「そしてギルギルがンもやられた!ここは潮時じゃ!」
「わかった」
彼は男の声と女の声で忌々しげにこう返した。
「では名誉ある撤退といこう」
「うむ」
「だが兜甲児よ覚えておくがいい」
「おいおい、俺かよ」
「まさか甲児君しか知らなかったりして」
「貴様等の名前と顔は全部覚えておるわ!いちいち茶々を入れるでない!」
今度はさやかに対して言った。
「ではロンド=ベルよ覚えているがいい!今度会った時が貴様等の最後だ!」
「あしゅら男爵、それはわしが言おうと思っていた台詞だぞ!」
「ええい、早い者勝ちよ!」
最後まで言い争いをしながら戦場を離脱していった。何はともあれこれで早乙女研究所は守り抜いたのであった。
「さてと」
だが話はこれで終わりではなかった。
「問題はまだ残っているな」
「そうですね」
サエグサがブライトの言葉に頷く。見ればゼンガーとククルが対峙していた。
「俺を倒すというのか」
「貴様に対しては一人の戦士として挑む」
「戦士」
それを聞いたゼンガーの眉が動いた。
「今戦士と言ったか」
「左様、わらわはもう邪魔台王国の女王ではない」
ククルは言う。
「そのわらわに残されたもの・・・・・・それは戦士としての誇りのみだ」
「そうか」
ゼンガーは感情を現わすこともなくそれを聞いた。
「そして戦士として俺の前に姿を現わしたというわけだな」
「貴様との決着を着ける為に」
彼女は言った。
「ここに参った。この勝負、逃げることは許さん」
「武士は勝負に背を向けることはない」
ゼンガーも言った。
「何があろうとも。戦士として、そして武士として勝負を受ける」
「左様か。では待っている」
彼女は言った。
「奈良の飛鳥の地でな。一週間後に」
「一週間後、飛鳥か」
「ゆめゆめ断ることなきようにな」
そう言い残してククルは戦場から消えた。こうしてここでは何もなく話は終わった。
「一週間後か」
「随分激しい一騎撃ちになりそうだな」
「望むところ」
だがゼンガーは至って冷静であった」
「互いの誇りをかけた戦いは武士にとってこの上ない喜び。それを避けることは」
「有り得ない、ということ
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