暁 〜小説投稿サイト〜
IS  〜インフィニット・ストラトス 漆黒と純白と紅の狼〜
更識家にて・・・
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だよ。だが、一昔前の業だ。背中の傷はそうだな………“名誉の負傷”だ」
「では、貴方は暗殺者なのですか?」


私は訊ねて、気取られない様に構える。
すると、彼は………


「そう構えるなよ。俺は暗殺者であるが、暗殺者じゃない。俺はな、壊れた人間(バケモノ)だよ」


彼は私の構えた事を教えてきた。
彼の目は、真紅で美しかったが実際は何もかもを燃やし尽くす業火そのものだった。


「俺からも一つ質問していいか?」
「なんでしょう?」
「現在の世間ってのはどうなってんだ? 生憎、人が住んでいる様な地帯には降りたことが無くてな、世情に疎いんだ」


彼に現在の社会情勢を軽く教えると、「随分と歪んだ世界になったもんだ」と苦笑していた。


「これから、貴方はどうするんですか?」
「どうしようかねぇ〜〜」
『なら、私達と一緒に住みませんか?』


突然、部屋の外からある声が部屋の中に響き渡り、その後、部屋に入ってきた者がいた。


「お母さん!?」
「アンタの母親か?」
「ええ、私のお母さんで、前当主だった人」
「初めまして、蒼騎さん。私、更識氷華の母、更識幽華です」
「あ、ご丁寧にどうも。………氷華って誰ですか?」
「ああ、御免なさいね。貴方の前に居る女の子の本名よ」


彼は私を見てくる。


「確かに、アンタの本名は訊ねてなかったな。氷華って言うのか、良い名だな。………ところで、幽華さん。本気ですか? 得体も知れない男と共に暮らすなんて?」
「ええ、本気ですよ。それに貴方はおそらく“優しい人”でしょう?」
「俺は“優しく”ないですよ。なんせ、“悪党”ですから」
「そうですか。でも、私達と暮らすのは嫌じゃないんでしょう?」
「別にそちらが良ければ、こちらも有難いですが………(帰る家もありませんし」
「なら、これからよろしくお願いしますね、真紅狼くん」
「どうも、よろしくお願いします」


私をそっちのけで話は進んでしまい、結局彼は私達と共に住むこととなった。
私は先に出ていったお母さんを追い掛けた。
〜楯無side out〜


〜幽華side〜
先に部屋を退出した私を氷華は追い掛けてきた。


「お母さん!」
「廊下を走るなんて、はしたないわよ、氷華」
「あ、ごめんなさい。………じゃなくて、なんで勝手に話を決めちゃったのよ?!」
「氷華ちゃんは、さっき彼がなんて呟いたか聞こえたかしら?」


娘は、全く聞こえていなかったらしかった。


「彼はさっきね………『帰る家もありませんから』って呟いたのよ? それがどういう意味を表すか、分かるわね?」
「彼の両親が亡くなっているってこと………?」
「それに、今、彼を一人にするのは危
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