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八条学園怪異譚
第五話 水産科の幽霊その一
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に見えているその木を見た。その木は少なくとも日本本土にはない熱帯の木だった。夜の中にその木が浮かんでいた。
 そのガジュマルの木を見て聖花は首を捻って言った。
「はじめて見た時から場違いだって思ってたけれど」
「そうよね。日本の木じゃないから」
「あの木に何かあるの」
「うん、その何かが出て来るのよ」
「あれ日本の木じゃないから」
 どう見てもだった。聖花から見ても。
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