第七十六話 魔神皇帝
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それを聞いていきり立つ。
「そりゃ一体どういう意味だ」
「それこそがガイゾックの狙いじゃて」
「狙い!?」
「人が怒り、醜い心を曝け出すことがのう」
彼は言う。
「わしの無上の喜びなのじゃ。ガイゾックのな」
「ガイゾックの」
宇宙太はそれを聞いて考える顔になった。
「どういうことだ、それは」
「それを言う必要はない。わかるかな」
「ヘッ、単なるハッタリかよ」
「いや待て、勝平」
だが宇宙太はそうは見てはいなかった。
「違うってのか?」
「何か引っ掛かる。あいつは何か隠していやがる」
「何かって」
恵子もそれに問うた。
「何なのかしら」
「今はわからないが。何かな」
宇宙太は考えながら言った。
「こいつは絶対何か隠してやがるぜ」
「ホッホッホ、何かを探っておるようじゃな」
「それがわかってたら苦労しねえぜ」
「よいことじゃ」
「手前ふざけるのもたいがいにしやがれ」
「よせ勝平、ここは抑えろ」
宇宙太はいきり立つ勝平を止める。
「どのみちこいつ等とも決着をつける時が来る」
「クッ」
「その時でもいい、謎を解くのはな」
「わかったよ。今は大人しくしてりゃいいんだな」
「適度に暴れてくれればいい」
「了解、それじゃあ地味に暴れてやるぜ」
「大丈夫かしら」
「さて、メカブーストも減ったことじゃし」
ブッチャーは戦場を見渡して言った。
「わしはここで撤収させてもらうとするか。ではな」
「待て、逃げるのかよ!」
「逃げるのではないのじゃ、これが」
ブッチャーは勝平に言い返した。
「転進という。わかるかのう」
「屁理屈こいてんじゃねえ!今度会った時は覚えてやがれ!」
「忘れるように努力するわい。それではな」
こうしてブッチャーとガイゾックは戦場を離脱した。こうしてまずはガイゾックが戦場から消えた。
「ブッチャー、見ていやがれ」
勝平は消え去ったガイゾックに対して言った。
「今度会ったら手前のどてっ腹に大穴開けてやるからな」
「それにしてもガイゾックは何を隠しているんだ」
宇宙太はまだ考えていた。
「何か。何かに似ている様な気がするんだが」
「宇宙から来ているのにバルマーともバームとも関係がないみたいだし」
「宇宙か」
彼は恵子の言葉に反応した。
「何かあるの?」
「いや、そこに何かあるかも知れない」
彼は広大な宇宙にあるものを見ていた。
「そこに答えが」
「答え」
「案外何かの化け物みたいなのだったりしてな」
「そんなわけないでしょ」
「いや、案外そうかも知れないな」
恵子は勝平の何気ない言葉に対して咎めた。しかし宇宙太はそこに見るべきものを見出していた。
「連中は。確かなことはわからないが」
「そうなの」
「これからガイゾックも調べる必要がある
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