第七十六話 魔神皇帝
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教授」
さやかと甲児が彼の姿を認めて言う。
「どうしたんですか、一体」
「ちょっと兜博士と三人の博士が出張でね。今は研究所にいないんだ」
「御父さんが?」
「ああ。ダカールまでね。明日には戻るんだが」
「それじゃあ今日の解放はなしですか」
「申し訳ないが。一日待ってくれるか」
「そうだったんですか」
「その御詫びと言っては何だがささやかな招待の場をもうけてある。今日はゆっくりしてくれ」
「何か肩透かし食らった気分だな」
「まあそう言うな甲児君」
鉄也が不満げな甲児にこう声をかけて宥める。
「こうしたこともある」
「それもそうか」
「まあ今日はゆっくりと休もう。ビッグファルコン奪回の祝勝も兼ねてね」
「そうね。今日はゆっくりと」
「飲むとするか」
「結局ティアンさんってそれしかないのね」
最後にプレセアの呟きがあった。いささか悲喜交々の状況で光子力研究所に向かうのであった。
到着までには全く時間はかからなかった。ロンド=ベルの七隻の戦艦は研究所の周りに集結した。だがここで思わぬ異変が起こってしまった。
「レーダーに反応!」
ミドリが報告する。
「西方に敵!ミケーネです!」
「ミケーネが!?」
「クッ、こんなところで!」
大文字とピートがそれを聞いて声をあげる。
「敵数約三百!こちらに向かって来ています!」
「いかん、総員出撃!」
大文字はすぐさま指示を下した。
「迎撃にあたるんだ!」
「了解!」
ロンド=ベルが出撃したと同時にミケーネ軍も戦場に姿を現わした。その先頭には超人将軍ユリシーザと怪鳥将軍
バータラーがいた。
「流石はロンド=ベルといったところか」
ユリシーザは既に陣を整えているロンド=ベルを見て言った。
「感心している場合ではないぞ、ユリシーザ」
そんな彼にバータラーが言った。
「奴等がいるとなれば脅威だ」
「何、心配することはない」
だがユリシーザは同僚のそんな言葉を意には介さなかった。
「ここにガイゾックも向かっているという」
「ガイゾックも」
「そうだ。奴等はそのままロンド=ベルに向かうだろう。そこで漁夫の利を得るのだ」
「ふむ。互いに戦わせて疲弊させるのか」
「どうだ?これならば問題あるまい」
「そうじゃな。ではまずは積極的な攻撃を控えるとしよう」
「うむ」
彼等はあまり前に出ようとはしなかった。ロンド=ベルはそれを見て不審に思わざるを得なかった。
「どういうことだ?」
鉄也はそれを見て眉を顰めさせた。
「動かないとは」
「いつもはあれだけ派手にやってきやがるってのによ」
「おかしい。何かあるな」
甲児と隼人も言った。
「ミドリ君、レーダーに反応は?」
「今のところは。いえ」
ここでミドリは気付いた。
「レーダーに反応です」
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