プレリュードその八
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「私もね」
「そうしてくれるの?」
「うん、絶対にそうするから」
こう言うのだ。
「お友達だから」
「そうしてくれるの」
愛実の言葉は嘘ではなかった。実際にだ。
ある日のことだ。聖花は忘れものをしてしまった。クレヨンを忘れたのだ。
これでは絵を描けない、困っているとだった。
その彼女の横にそっと愛実が来た。そのうえで。
自分のクレヨンを出してだ。こう言ったのである。
「一緒に描こう」
「いいの?」
「だって。聖花ちゃん今困ってるよね」
「ええ。クレヨンを」
忘れてしまったとだ。聖花は愛実に正直に話した。
「お家に忘れちゃったの」
「だったらね。私のクレヨンか貸すから」
それで描けばいいというのだ。愛実が言うことはこのことだった。
「それで一緒に描こう」
「そうしてくれるの」
「うん。じゃあ一緒にね」
愛実は笑顔で言ってだ。自分からだった。
クレヨン、青のそれを手に取って聖花に差し出した。そのうえで言った。
「はい、これ」
「青?」
「まずはお空描くよね、聖花ちゃんって」
「うん。お空好きだから」
「だからね。これ使って」
「使っていいの?」
「私は他の色のクレヨン使うからね」
だからだ。今はいいというのだ。
「今は青使ってね」
「それじゃあ」
「うん、一緒に描こうね」
愛実はまた笑顔で言った。聖花はその青いクレヨンを受け取った。
今度は聖花が愛実に助けてもらった。二人はそうした関係を続けていた。
その中でだ。聖花は家族にこんなことを言った。日曜の三時、おやつの時間にだった。
少しだけ家の中、店と一緒になっているその家の中に戻って紅茶を一緒にスコーンにサンドイッチ、それとケーキの三段セットを食べながら聖花はこう家族に言ったのである。
サンドイッチも当然家で作ったものだ。そのサンドイッチも実に美味い。ハムとレタスも絶品だがそれ以上にパンの生地が非常にいいものだった。
パンを食べてだ。兄達や姉に言ったのである。
「凄くいいお友達なの」
「ああ、愛実ちゃんか」
「そんなにいい娘なんだな」
「そうなの。愛実ちゃんいつも私を助けてくれるの」
だからいいとだ。聖花は満面の笑顔で言う。
「クレヨンだって貸してくれるし泣きそうになったら一緒にいてくれて」
「ふうん。そんなにいい娘なの」
「愛実ちゃん大好きだよ」
サンドイッチをまた口に入れる。それは普段よりも美味しく感じられた。
「私の最高のお友達だよ」
「じゃあその愛実ちゃんと一緒にいたいのね」
「ずっと一緒にいたいの」
姉にもだ。聖花は言った。
「死ぬまでね」
「そのこと。適うといいわね」
お母さんもだ。そう言う聖花にこう言ってきた。
「本当にね」
「じゃあそう
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