第三話 聖花の人気その二
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「それって。それにしても」
「そうよ。美術部の先輩からね」
「私によね」
「聖花ちゃんに会いたいって言ってだからね」
「ちょっと怖いけれど」
それはだというのだ。
「私のこと見たいって」
「怖いって?」
「うん。お話したいっていうけれど」
「それで終わりだと思うから」
「大丈夫なのね」
「先輩もいるから」
バスの中で二人並んで座ってだ。愛実は自分の横にある聖花に話すのだった。二人はここでも一緒だった。
「安心していいわ」
「だといいけれど」
「聖花ちゃんってこういうの怖いの?」
「合コンはじめてだから」
それでだと言う聖花だった。
「どうしてもね」
「私もはじめてよ」
愛実はこう聖花に返した。その彼女に。
「合コンは」
「そういえば愛実ちゃんもよね」
「男の子とあまり話したことないから」
二人はいつも一緒だ。しかしだった。
愛実にしても聖花にしても男子生徒とあまり深く話したことはない。あくまでクラスメイトとしてだけだった。
それでだ。愛実もこう言うのだった。
「怖いって言えばね」
「怖いのね」
「しかも商業科だから」
商業科の特色も話される。
「男の子少ないから」
「大体女の子が七割よね」
「そうよね。男の子にとっては嬉しい環境だけれど」
大抵の男は引く手あまただ。商業科でもてない男は相当まずいとさえ言われる程だ。もてたいならば商業科に行けと言われる位だ。
「逆に言えばね」
「女の子にとってはね」
「結構。怖いのよね」
「少ない分ね」
男がだというのだ。それでだった。
愛実がだった。困った様な顔になって言うのだった。
「お話する機会も限られてるし」
「男の子って大抵周りに積極的な女の子がいるからね」
草食男子と肉食女子という訳だ。
「私達みたいにこういうことが縁がない娘達はね」
「うん。はじめてだから」
「どうなるのかしら」
愛実は不安な顔で述べた。
「美術部の合コンって」
「新入生の娘全員参加よね」
「ええ、そうよ」
話はそれで決まっている。既に。
「多分断れないから」
「先輩達の手前ね」
「それでもいいわよね」
「怖いけれど。それでも」
どうかともだ。聖花は今度はこう言った。
「先輩達もいてくれるし。それに」
「それに?」
「愛実ちゃんもいるからね。一緒にいるからね」
「怖くないの?」
「ええ、怖くないわ」
そうだとだ。笑顔で話す聖花だった。
「何か最初は明るかったけれどちょっと暗くなってたわよね」
「少しね」
実際にそうだとだ。愛実も返した。
「けれど今は違うから」
「そう。だったらいいけれど」
「場所はカラオケボックスだから」
「スタープラチナよね」
「あのお店よ」
そ
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