第二話 嫉妬その十七
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「これからのことはね」
「ええ、それじゃあね」
「トンカツだけじゃないわよね。お料理は」
「色々あるわよ、本当に」
「海老フライもコロッケも」
まずは揚げものが挙げられる。
「それにハンバーグも」
「それもよね」
「他にも和食もあるし」
「定食のよね。鯖とか鰯の」
「食堂だから定食が多いけれど」
それだけではなかった。
「他にはね」
「スパゲティもおうどんもあるし」
「麺類。パスタもそうだけれど」
それも入るのだった。愛子はパスタも麺類に入れてそのうえで愛実に対して話をするのだった。
「ああしたのは茹で方が大事だからね」
「ちょっと間違えるとよね」
「そう。のびるから」
そうなるというのだ。
「それはわかってるわよね」
「うん。麺類も大事よね」
「麺類は安定した人気があるからね」
ラーメンも入る。当然うどんもだ。
「気をつけてね。そうそう、最近うちのお店きし麺もはじめたから」
「あれの茹で方も」
「身につけておいてね」
「うん。名古屋の食べ物だけれど」
どうかというのだった。ここでだ。
「美味しいわよね」
「そうよね。名古屋っていうとね」
「私あまりよく知らなかったけれど」
「私もよ。けれどね」
「そう。美味しいわよね」
「思った以上にね。名古屋はお味噌だけれど」
名古屋といえばそうだ。あの八丁味噌は名古屋の代名詞となっている。しかしそれでもなのである、
「本当にいけるわね」
「うん。ただね」
「そうそう。野球の話は止めてね」
「中日だからね」
「ここは神戸よ」
そう、まさにだった。
「西宮。わかるわよね」
「阪神よね」
「名古屋はよくてもね」
「中日は駄目よね」
「巨人に比べると風当たりはずっとましだけれど」
阪神ファンは巨人以外に対してはかなり寛容だ。関西で巨人を前面に出すとそれだけで顰蹙を買ってしまう。それは何故か、巨人はこの世にはあってはならない絶対の悪だからである。理由はそこにあるのだ。
「それでもね」
「中日とも色々あるからね」
「そう。だからね」
それ故にだというのだ。
「野球のことは言わないでね」
「中日のことは」
「言わないでいてね。お店の売り上げにも関わるから」
「そうよね。野球の話なら」
「黒と黄色よ」
虎の色だ。即ち。
「お店に六甲おろしかけるのなら別よ」
「その方がずっといいわよね」
「また言うけれどここは神戸よ」
即ち関西だ。それならばだ。
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