第二話 嫉妬その八
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「勉強とかは」
「よくないっていうの?」
「そう。だからね」
それでだというのだ。
「そう考えたらこのクラス編成は」
「成績順じゃないっていうのね」
「そう思えてきたわ」
「ううん。実際はどうなのかしら」
「わからないわね。とにかくね」
「ええ、クラスに入りましょう」
こう話してだ。二人は彼女達のクラスに入った。そこには様々な制服の男女がいた。その面々を見て聖花はこう言った。
「ううんと。やっぱり女の子が多いわよね」
「商業科だからね」
「そうよね。話には聞いてたけれど」
「商業科は女の子が多いのよ」
愛実は聖花に対して述べた。
「銀行とか商社に勤めやすいからね」
「それでなの」
「そうなの。簿記や算盤を習うし。それに」
それに加えてだというのだ。
「お店をやるにもいいから」
「私達みたいに、なのね」
「うん。そういうことなの」
愛実は聖花に商業高校のそうした事情を説明した。
「だから女の子が多いの」
「女の人の銀行員とか多いわね」
「そうでしょ。それでなの」
「制服が色々なのは八畳高校だからよね」
「八条高校は制服選べるからね」
この高校の特徴だ。制服はそれぞれで選べるのだ。デザインはそれこそ何十種類もあり自分で組み合わせも選べるのだ。そのことからも人気の学校なのだ。
「だからね」
「それでなのね。けれど」
「けれどって?」
「この学校だとね」
聖花は自分の座る席を探しながら愛実にまた言った。
「男の子にとって凄く有り難いわよね」
「女の子が多いからっていうのね」
「うん。その分もてるから」
「そうよね。けれど逆に言えばね」
「女の子にとってはっていうのね」
「競争激しくなるわよ」
彼氏を手に入れる。そうした意味ではだというのだ。
「それに身だしなみも整えないと」
「あっ、その数少ない男の子の目を引く為に」
「そう。気をつけないと駄目よ」
こう聖花に話すのだった。
「女の子の方が多くてもね」
「というかかえってなのね」
「そうなるわね。まあ男の子がいなくても」
愛実は彼女の考えも述べた。
「ちゃんとしないとね」
「そうよね。服装とかもね」
「聖花ちゃんアイロンとかしてる?」
「アイロン?」
「そう。制服にアイロンとかかけてる?」
「アイロンかけないといけなかったの?」
聖花は目を丸くさせてそのうえで愛実に言い返した。この目と言葉がそのまま愛実への返答になっていた。
「そうだったの?」
「そうよ。というかね」
「絶対なのね」
「アイロンとかかけない娘多いけれどね」
「というか殆どじゃないかしら」
「そうね。けれどね」
だが、だ。それでもだと答える愛実だった。
「こうしたこともちゃんとしないと」
「駄
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