第一話 湧き出てきたものその二十一
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ポットでもあるけれど」
それでもだとだ。今度は聖花が話す。
「それでもね」
「そうよね。女の子二人で行ってもね」
「デートになるわよね」
「えっ、そうなるの?」
「ええ。お友達同士でもね」
そうなるとだ。愛実に言う聖花だった。
「そうなるじゃない」
「そうなるのね」
「デートする?あのテーマパークで」
「楽しみね」
これが愛実の返事だった。
「それもね」
「そうね。じゃあ合格したらね」
「二人でテーマパークに行こうね」
「絶対にね」
笑顔で話す二人だった。そうしてだった。
二人は無事合格して入学、卒業のお祝いを兼ねて一緒にテーマパークに行った。そうして二人で楽しんだのである。
それが終わって家に戻ってだ。愛実は愛子に笑顔でこう述べた。
「二人でいるとね」
「やっぱり楽しいでしょ」
「ええ、本当にね」
こうだ。満面の笑顔で姉に言ったのである。
「よかったわ。高校にも合格したし」
「聖花ちゃんと一緒によね」
「うん。色々な場所で遊んだわ」
「よかったわね。ただね」
「ただって?」
「聖花ちゃん今度は。お家を出る前に携帯のメールで連絡して確かめたけれど」
聖花のうっかりしたところを知っているからだ。事前にそうしたのだ。
「お弁当忘れかけたのよ」
「えっ、お弁当を?」
「そうなの。聖花ちゃんのお母さんが作ってくれたお弁当をね」
それをだ。忘れそうになったというのだ。
「お家出る時に私が連絡したらね」
「そこでわかったのね」
「そうなの。聖花ちゃんってそうしたところはどうしても」
「昔からよね。だから愛実ちゃんがね」
「私が?」
「高校でも助けてあげないといけないわよ」
愛子は笑顔で家に帰ってきた妹に話す。
「そうしたところはね。愛実ちゃんだってお勉強とかで助けてもらってるわよね」
「実際。高校に合格できたのって」
姉に言われて気付くこと、それはというと。
「聖花ちゃんに色々教えてもらったからね」
「それでよね」
「やっぱり私達って」
どうかというのだ。姉に対して言っていく。
「お互いにいないと駄目なのかしら」
「友達ってそういうものよ。だからね」
「うん。これからもよね」
「仲良くしなさいね。二人で」
「ええ、そうするわ」
今は笑顔で頷くことができた。愛実は本来の彼女になっていた。
そしてその笑顔で卒業、入学を迎えるのだった。そしてそれが彼女にとって運命のはじまりになるのだった。自分自身で招いてしまった。
第一話 完
2012・7・5
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