第一話 湧き出てきたものその十五
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うにして」
こうも言ったのである。妹に対して。
「そうしてね」
「飲まれないようにって」
「だから。テストは実力だけじゃないのよ」
「心もってこと?」
「そう。心もしっかりしないとね」
さもなければだというのだ。
「充分にできないから」
「あがったり焦ったり。戸惑ったりしたら」
「そう、駄目だからね」
「だから試験に飲まれるなっていうのね」
「そう。気をつけてね」
「だからテキにカツなのね」
即ちだ。敵に勝つ、というのだ。
「そういうことなのね」
「この場合は自分自身よ」
愛子は微笑んで妹にこうも話す。
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