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八条学園怪異譚
第一話 湧き出てきたものその十四
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そうしてるの」
「お店があってお姉ちゃんがいてくれてチロもいてね」 
 それでだというのだ。
「私ほっとできるから」
「チロちゃんっていい子よね」
「いい子よ、本当にね」
 その通りだとだ。愛実はその少しだけ穏やかになった顔で聖花に述べた。
「はじめてお家に来た時から大好きなのよ」
「そうなのね」
「そう。一緒にいられるだけで嬉しいの」
「愛実ちゃん元々犬好きだしね」
「ええ、大好きよ」
 次第にだった。愛実の顔が穏やかなものになってきている。その顔で聖花に話す。
「その犬の中でもチロは特別だから」
「朝も夕方もお散歩してるのね」
「そうよ。雨が降ってもね」
 それでもそのチロとの散歩をしているというのだ。
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