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八条学園怪異譚
第十六話 柴犬その十一
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い様にしてね」
「昔は井戸に落ちて死ぬって話も多かったし」
「皿屋敷みたいに?」
 播州皿屋敷であったり播町皿屋敷だったりする。所謂お菊さんの話である。
 このお菊さんが放り込まれたという井戸はお菊井戸といい姫路城にもある、ことの真偽は定かではないが姫路城こそがこの怪談の舞台だと言われている。
 そのお菊さんの話を思い出して愛実は応えたのだ。
「ああいうの?」
「そうよ。井戸から出る妖怪とか」
「井戸からなの」
「そう、井戸からね」
 出て来るものもいるというのだ。
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