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八条学園怪異譚
第十五話 足元にはその九
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「それで探してるんですけれど」
「全てはそれからだ」 
 だが日下部はその二人にさらに言う。
「興味を持つ、それ故にだ」
「何かがはじまるんですね」
「それで頑張れるんですね」
「そういうことになる。私が海軍に入ったはじまりもだ」
 昔話になる。二人にしてみればかなり昔の話である。
「海に浮かぶ勇壮な軍艦を見てからだからな」
「それお幾つの頃ですか?」
 聖花は目をしばたかせて草壁に対して尋ねた。
「一体」
「七歳の頃だった」
 日下部がまだほんの子供の頃のことだった。やはり二人にとっては遥かな昔のことである。少なくとも二人はその頃は生きてはいない。
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