第十五話 足元にはその一
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第十五話 足元には
二人はクラスメイト達からこんな話を聞いた。
「放課後暗くなって帰ってるとね」
「足元にくるらしいのよ」
「それでやけにくすぐったくて」
「結構まとわりつくみたいよ」
クラスメイトは二人にこうした話をしてきた。
「猫か何か一杯いるみたいだけれど」
「よくわからないらしいのよ」
「あれっ、犬とか猫だったら」
愛実はついでに犬のことも言った。自分の家で飼っている愛犬チロのことを思い出してそれで話に出したのである。
「普通に犬猫ランドにいるじゃない」
「そうよね」
聖花も愛実のその言葉に応える。
「学校の中の」
「そこにいるじゃない」
生徒の情操教育や癒しの為にこの学園ではそうした設備も置いてあるのだ。デートスポットともなっている。
「だから猫ちゃんとか」
「普通いないんじゃ」
「だから不思議なのよ」
「何なのかって言われてるのよ」
クラスメイト達は二人に話す。今彼女達は体育の授業中だ。
白い上着にそれぞれの色の半ズボンやスパッツをはいている。愛実は赤い半ズボンで聖花は青い膝までのスパッツだ。
他の面々もそれぞれの服装だ。その服で体育座りをして話をしている。
「猫ちゃんじゃないとすると」
「何かってね」
「くすぐったいのよね」
愛実はこのことに注目した。
「そうよね」
「ええ、そうらしいわ」
「触られるとくすぐったいらしいのよ」
「ううん、だとすると」
話を聞いて言う愛実だった。
「哺乳類よね」
「毛があるみたいだからね」
「そうみたいね」
「哺乳類ね」
愛実はこのことから真剣な顔で考えだした。目の前ではクラスメイト達がダッシュをしている。その順番待ちなのだ。
「じゃあ動物園から出たとか?」
「出たって何が?」
「どんな動物が?」
「ううんと。どっかで聞いた話だけれど」
愛実は眉を顰めさせてクラスメイト達にこの話をした。
「動物園で動物が消える事件が起こってたのよ」
「動物が?」
「消える?」
「そうなの。アザラシなりペンギンなりね」
まずはそうした動物達だった。
「後小さな動物とかが」
「何か怖いわね」
「不気味な事件よね」
「で、犯人探しがはじまったのよ」
動物園にしても見てもらう為の動物達がいなくなってはどうしようもない、動物のいない動物園なぞ御飯の入っていないお碗だ。
それで動物園の職員達も犯人探しをはじめたというのだ。
「夜に見回ってるといたのよ」
「その犯人が?」
「誰だったの?」
「アザラシだったのよ」
それが犯人だったというのだ。
「アザラシが自分のところから出て他の動物を襲って食べてたのよ」
「えっ、アザラシが!?」
「他の動物を襲って
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