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有栖キャロの小学校物語
第19話 魔導師がやって来ました………(中編)
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ォオ!!」

慌てて自分の炎で氷を溶かそうとするが、氷の勢いは止まらずどんどん加速していく。

「キャロ、フリードを戻しなさい!!このままじゃ死んじゃうわよ!!」
「う、うん!!」

ルーテシア言われ、再び召喚陣を出現させるキャロ。フリードを元の大きさに戻した。

「………」
「フリード!!も、戻れ!!」

地上に真っ直ぐ戻るフリードを慌ててボールに戻すキャロ。

「フリード………ゴメンね、私が未熟なばっかりに………」

涙目でボールに入ったフリードに謝るキャロ。

『これで終わりか白竜よ………全く、期待はずれも良いところだ………』

残念そうにそうこぼすフェンリル。
そしてその召喚師であるキャロを見つめた。

「な、何………」
『優しく、心地良い雰囲気を持つ娘だな。そこにいる紫の娘もそうだ。我等も心から力を貸そうと思える』
「あなたは………」
『我も出来ればお前逹の様な………』

「おいフェンリル、何余計な事を話している!?男は殺して女のガキを生かして捕らえろ!!」

そんな会話も虚しく、ジランドの大きな声が響く。

『………これも契約の代償か………こんな奴に我が………済まんな、許せ心優しき召喚師よ………』

そう言って口を開け冷気を溜めるフェンリル。

「やめろぉーーー!!!」

エリオが物凄い速さでフェンリルに対して突貫する。

「空牙絶咬・雷刃!!」

零治が使う神速の突き。
雷を帯びた槍をフェンリルを襲う。

『むうっ………』

素早いフェンリルであったが、子供であるエリオの小ささとそれに重なり速い攻撃に気が付けず、エリオの攻撃はフェンリルの足を斬りつけた。

「まだまだ!!」
『調子に乗るな!!』

もう一度同じ技で攻撃しようと反転した時だった。
ただ足を上げ、踏みつけた攻撃は地面を揺らし、エリオのバランスを崩す。

そしてフェンリルの体の下で片膝をついてしまった。

『そこか!!』

素早くバックステップしたフェンリルはエリオを視界に捉えると、大きな前足で大きくなぎ払った。

「くっ!?うわああああああああ!!」

何とか立ち上がる、バックステップで避けようとしたエリオ。
だが完全には逃げ切れず、その前足になぎ払われてしまった。

「エリオ君!!」
「エリオ!!」

近くの住宅に突っ込んだエリオに駆け寄るルーテシアとキャロ。

「エリオ、エリオ!!」

ルーテシアに揺すられるが反応が無い。
頭からも血が流れており、キャロが回復魔法をかけるが止血で精一杯だった。

『………これで終わりだ』

口を開け、フリードに放った様に冷気を放つ準備を始める。

「待て、フェンリル!!女のガキは………」
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