第十四話 茶道部の部室でその六
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「そういえば何度か見てるけれど」
「ぬらりひょんじゃよ」
妖怪は飄々とした笑いで二人に話す。
「茶道部だけでなく色々なところで厄介になっておるがのう」
「厄介って」
「うむ、料理部や音楽部に潜り込んで馳走になったり聴かせてもらっておる」
「誰も気付かないのかしら」
「皆用務員のおじさんと思っておる」
そうだというのだ。
「それで何の問題もないぞ」
「ぬらりひょんはそうした妖怪なのじゃよ」
博士も二人にぬらりひょんについて説明した。
「夕方の誰もが忙しい時に家にひょっこりと入ってお茶を飲んで帰っていく妖怪じゃ」
「それだけですか?」
「それだけじゃ」
本当にそれだけだというのだ。
「皆忙しいのであまり振り向かずだ誰かおる位で終わる」
「ううん、それだけの妖怪って」
「まあこれでも妖怪の長老の一人じゃぞ」
ぬらりひょん自身の言葉である。
「相談役じゃよ」
「あんた結構偉いの?」
「偉いと言えば偉いかのう」
ぬらりひょんもこの辺りは首を少し捻る。
「妖怪の総大将とか言われて様じゃしな」
「実際はそうなの?」
「いや、そのつもりはないぞ」
ぬらりひょん自身はそうだというのだ。
「ただ長老ではあるがのう」
「そういえばこの学園の妖怪や幽霊でリーダーとかいるのかしら」
「いないのではないのかのう」
ぬらりひょんの言葉だ。
「そういうのは」
「いないの」
「わしや日下部さんとかが話してそうしてあらかたのことは決まっておる」
つまり妖怪の中で自治が行われているというのだ。
「だからのう」
「リーダーとかはいないの」
「日本の妖怪の大元締めにしても色々な御仁がおる」
やはり一概には言えないというのだ。
「山本太郎左衛門殿とかのう」
「山本・・・・・・ええと?」
「備前、今で言うと岡山の方におる御仁で魔王の一人じゃ」
「えっ、魔王って」
「魔王といっても西洋の魔王とは違うぞ」
ぬらりひょんは魔王と聞いて西洋の悪魔を思い浮かべた二人に日本の魔王について話した。
「確かに恐ろしい御仁もおられるが殆どは出来た方じゃ」
「そうなの」
「言うならあれじゃ。殿様じゃ」
それになるというのだ。
「わし等の世界の殿様なのじゃ」
「そういう人なの、日本の魔王って」
「だから特に怖いことはない」
「だったらいいけれど」
「この学園に魔王はおらん」
「そうなのね」
「天狗さんはおるがのう」
天狗もいるがそうした存在とまではいかないというのだ。
「それでも魔王はおらん」
「じゃあ本当に長老の人達の話で進んでるのね」
「あと博士もおる」
この研究室の主のこの博士も見られる。
「まあ強いて言うなら博士がわし等の元締めじゃな」
「ほっほっほ、わしは只
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