第十三話 理科室のマネキンその二
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「いえ、普通の人達の間だと結構以上に」
「背はあるわよね」
「日本ハムの選手って凄い助っ人も多いけれど」
「伝統的に打てる助っ人多くない?」
「結構以上にね」
日本ハムは野手には恵まれてきたチームだ。内野も外野も攻守に秀でた選手が多く打てる助っ人に恵まれてきたチームなのだ。
「多いわよ」
「何か羨ましいわ」
「阪神と比べたら?」
「打たないからね」
愛実は溜息と共に自分の贔屓のチームのことを話す。
「だからね」
「阪神は私も好きだけれど」
「打たないわよね」
「うん、打たないわよね」
「打って欲しい時に打ってくれないのよね」
だから勝てないのだ。
「本当にね」
「そこが辛いところよね」
「本当にね」
「それでだけれど」
聖花はここで話を戻してきた。
「男の子だけじゃないのね」
「結局私達もね」
「そうなのね。結構男の子のことを話してるのね」
「そうよ。私だってそうだし」
「うちのクラスの男の子は」
聖花は自分達のクラスのことを話した。
「いつもアイドルのこととか話してるわよね」
「そうそう、皆ね」
「皆って?」
「だからクラスの男の子皆彼女できたわよ」
「えr、そうなの」
「そうみたいよ。もうね」
こう聖花に対して話す。
「できたんだって」
「早くない?まだ一年の一学期よ」
「商業科って女の子の方が多いじゃない」
「だからなの」
「そう、もう皆できたらしいの」
八条学園商業科は男子生徒は二とすると女子生徒は五だ。人数にして二・五倍の差がある。
つまり男の方が圧倒的に少ない、そうなるとだというのだ。
「男の子完売よ」
「完売って。メニューみたいに」
「けれど本当に皆彼女できたから」
「そうなったのね」
「まあそれでもアイドルのことは話してるけれどね」
この辺りは好きだからしていることだった。
「とにかく聖花ちゃんも彼氏が欲しいなら」
「私達のクラスはもう駄目なのね」
「商業高校は女の子にとっては修羅場よ」
愛実は真剣な顔で言い切った。
「男の子の取り合いの世界よ」
「競争社会なのね」
「逆に男の子にとっては」
逆の立場ならどうなるかというと。
「天国よ」
「よりどりみどりよね」
「二人三人いるのは当たり前よ」
彼女がというのだ。
「それもね」
「何か凄い世界ね」
「それが商業高校みたいよ」
「そういえば先輩達も」
「そうでしょ。彼氏欲しいって言ってるでしょ」
「先輩達皆美人だと思うけれど」
聖花は少し首を捻って言った。
「それでもなのね」
「だって。倍率二・五倍よ」
「競争が激しいからなの」
「そう、ゲッツできないのよ」
愛実は両手をピストルの形の様にさせてそれを聖花に向けて言った。
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